パートナーセールス研究会 発起人の葛西(@kasai_201406)です。
本日はSalesforceとGoogleスプレッドシートを使ったアカウントマッピングについて書かせていただきます。
前回、4/8に開催したダイニー様×Sales Marker様のセミナーにおいても、ダイニー様のアカウントマッピングの方法として「Salesforceのデータと連携してスプレッドシート上でバッティングチェックができる手製のツールがあるので、それにリストを当てこんでバッティングチェック、名寄せを行っています。」というお話もありました。
このお話をされた際、会場で初めて聞いたという反応をされる方も多くいらっしゃったので、今回はこのSalesforceとスプレッドシートを使ったアカウントマッピングについて解説します。
アカウントマッピングとは? 〜営業成果を上げるカギとなる情報整理手法

営業成果を高めるうえで重要なのが、「誰に、いつ、どうアプローチするか」という戦略の精度。その鍵を握るのがアカウントマッピングです。
アカウントマッピングとは、パートナーシップを締結して協業する企業間同士で、お互いが保有する営業データを提供し合い、新規にアプローチ可能な顧客を洗い出す作業のことをいいます。
※「リスト突合」や「リスト協業」と呼ばれることもあります。
この手法を活用することで、「どの企業が自社と接点を持っていないか」「誰がどの顧客にリーチできるか」といった情報が明確になり、新規開拓営業の効率が大幅に向上します。
アカウントマッピングについては、下記のCrossbeamに関するコラムもご参照ください。
なかでも、自社の直販側で使っているCRMがSalesforceの場合は、Googleスプレッドシートと連携して利用することで、アカウントマッピングを実質無料かつ手軽に始めることが可能です。
次の章では、その連携方法について詳しく解説します。
※なお、HubSpotにも似たようなスプレッドシートとの連携が可能なアドオン機能のようなものがあるみたいです(残念ながらHubSpotについては私自身が触ったことがなく詳細不明のため、ここでは割愛します)
Salesforceとスプレッドシートを連携する方法とは? 〜G-Connector for Salesforceの基本

アカウントマッピングを実践するには、自社とパートナー企業の営業リストを効率的に突合・比較する必要があります。そのためには、Salesforceの営業データをGoogleスプレッドシート上で編集・加工・共有できる環境が必要です。
そこで活躍するのが、「G-Connector for Salesforce」という無料で使えるGoogle Workspaceアドオンです。
G-Connectorは、SalesforceとGoogleスプレッドシートを連携させるツールで、以下のような機能を持ちます。
- Salesforce のレポートや SOQL クエリを使用して、任意のデータをGoogleスプレッドシートに取り込むことが可能
- Salesforceで更新した内容をスプレッドシート側へ反映させる
- 定期的な自動同期(スケジュール実行)にも対応
この連携によって、Salesforceに登録されている取引先(アカウント)情報やリード情報をそのままスプレッドシートで抽出・整形・共有できるようになります。
特にパートナーとのアカウントマッピングにおいては、「自社と先方のアカウント一覧を並べて突合する」といった作業が必要になるため、このデータ連携のスムーズさが成果に直結します。
G-Connector for Salesforceは、以下のGoogle Marketplaceからインストール可能です:
👉 G-Connector for Salesforce – Google Workspace Marketplace
G-Connectorでできる3つの便利機能〜アカウントマッピングに活かせる操作とは?

G-Connector for Salesforceを使うことで、Salesforceのデータをスプレッドシートで自在に扱えるようになります。特にアカウントマッピングを行う上で便利な、代表的な使い方をご紹介します。
① Salesforceデータの一括インポート
G-Connectorでは、Salesforceに登録されている取引先情報やリード、商談情報をスプレッドシートに出力できます。
抽出するデータ項目は自由にカスタマイズ可能で、「アカウント名」「業種」「従業員数」「担当者」など、アカウントマッピングに必要な軸をまとめて取得できます。
この抽出したデータとパートナーへ展開する提案OK・NGの突合シートとで関数を組み、パートナーが企業名を入力すると、提案可否の○・×が自動でつくようにします。
なお、当然ながら上述の抽出したデータはパートナーに展開する提案OK・NGの突合シート(アカウントマッピングシート)とは別のシートにて管理するなど、パートナー側から直接的に既存契約先や商談先のリストが見えてしまうなんてことがないようにしましょう。
②Salesforce上での編集内容をスプレッドシートに反映
Salesforce上で編集・更新した内容を、そのままスプレッドシートに更新することが可能です。
たとえば、提案OK・NGの突合シートは最新の既存契約先の情報や直販側などでの最新の提案中の商談情報などが必要となってきますが、該当のSalesforceレポートを更新するとパートナー側に展開している提案OK・NGの突合シートのデータも更新されるような仕様になっています。
他にも、パートナーからご紹介いただいた企業の商談ステータスの共有などをスプレッドシートにまとめて共有する際も、該当のSalesforceレポートを更新することでパートナー側に展開している商談ステータスの情報も自動的に更新されるため、パートナー側も最新の商談ステータスを拾えます。
※ただし、営業担当がSalesforceの商談情報の更新を怠っていた場合は別ですが。。
③ スケジュール同期(自動更新)
一定の時間間隔でSalesforceとスプレッドシートのデータを自動で同期させることも可能です。
例えば、「毎朝9時にアカウント一覧を更新」などの設定ができるため、常に最新の情報を共有・突合できる仕組みが整います。
このように、G-Connectorを活用すれば、営業現場でよくある「手動でのCSVエクスポート→加工→共有→インポート」といった手間を省き、スピーディかつ精度の高いアカウントマッピングを実現できます。
そのため、以前「パートナー契約後の初回アクション施策まとめ」にも書かせていただきましたが、まずはパートナーとのスプレッドシートの相互共有ができる環境を整えましょう。
なぜ「実質無料」なのか?コストゼロでできるSalesforce連携術の理由

「Salesforceとスプレッドシートを連携する」「アカウントマッピングを効率化する」と聞くと、専用の有償ツールや開発コストがかかりそうな印象を持たれるかもしれません。
しかし、今回紹介しているG-Connector for Salesforceは、無料プランでも十分に活用可能であり、実質的にコストゼロ(Salesforceの各自のID料金のみ)で運用を開始できます。
外部ツールや開発不要。Googleアカウントがあればすぐ始められる
特別なシステム連携やAPI開発も不要で、GoogleアカウントとSalesforceのログイン情報があれば、即日運用可能です。
これにより、IT部門への依頼や初期コストが不要となり、パートナーセールス部門が主体となってスピーディにアカウントマッピングを実践できます。
コストゼロで得られる最大のリターンとは?
無料で始められるG-Connector活用の最大のメリットは、「リストの見える化と連携による新規開拓の効率化」です。
パートナーとの協業で新たな顧客にアプローチできるチャンスが生まれ、成果に直結する営業活動へつなげられます。
このように、「実質無料」でここまで実用的なアカウントマッピングが実現できるのは、G-ConnectorとGoogleスプレッドシートの組み合わせならではの強みです。
まとめ

アカウントマッピングは、パートナー企業と営業データを共有し合い、新規にアプローチ可能な顧客を見つけ出す戦略的な手法です。
「リスト突合」や「リスト協業」とも呼ばれ、営業活動の効率化と受注率アップに大きく貢献します。
このアカウントマッピングをコストをかけずに実現できるのが、G-Connectorを活用したSalesforce × Googleスプレッドシート の組み合わせです。
「パートナーとのリスト突合を進めたいが、複雑なツールや追加コストは避けたい」
そんな企業にとって、今回紹介した方法は“実質無料で始められる最適解”となるはずです。
今すぐSalesforceとG-Connectorの組み合わせを活用し、貴社のパートナーセールスチームとパートナー企業とのアカウント突合シートを作成してみてはいかがでしょうか・・・?
設定方法の詳細まで語ると非常に長くなってしまうため、今回は割愛しておりますが、おおよその使い方については下記もご参照いただくと良いかと考えています。
https://www.sunbit.co.jp/blog/2018/02/21708
具体的な設定方法や提案OK・NGの突合シート(アカウントマッピングシート)の具体的な作成方法など気になる方は、是非下記のフォームよりお問い合わせいただくか、メッセンジャーやX(Twitter)でお気軽にご連絡ください!