皆さん、こんばんは。
パートナーセールス研究会 発起人の葛西(@kasai_201406)です。
「パートナーセールスの年収って、実際どれくらい?」
そんな疑問をお持ちの方に向けて、この記事では2025年時点の最新年収データと企業タイプ別の違い、年収アップのキャリア戦略まで詳しく解説します。
SaaS業界・外資系・スタートアップで年収1,000万円を目指したい方は、ぜひご一読ください。
パートナーセールスとは?仕事内容と他営業職との違いをわかりやすく解説
SaaS業界やIT業界で近年注目が集まる「パートナーセールス」。
しかしその実態は、まだ日本国内では広くは知られていないポジションです。
パートナーセールスとは、一言でわかりやすく伝えるのであれば、自社の製品やサービスを代理店や販売パートナーを通じて拡販する営業職のことを指します。
通常の営業職(フィールドセールス)が顧客に直接提案するのに対し、パートナーセールスは「売ってもらう」営業。
代理店と信頼関係を築き、販売活動を支援することで売上拡大を図ります。
主な業務は以下の通りです:
- 新規代理店(SIer、リセラー、地方銀行など)の開拓
- 既存代理店との関係構築・勉強会・営業同行
- トークスクリプトや販促資料の提供
- 代理店経由の売上や案件数の管理と改善提案
- マーケやIS、CS部門、そして組織体制によっては直販のFSとの連携による販促支援の設計
このように、パートナーセールスは「仕組みで売上を最大化する」役割を担います。
SaaS企業を中心にチャネル戦略が重視される今、パートナーセールスは年収の高い戦略職種としても人気が高まっています。
【2025年最新版】パートナーセールスの平均年収と年収レンジを解説

パートナーセールスの年収は、担当する業界や企業規模、インセンティブ制度の有無によって大きく異なります。
まず、求人サイトやクチコミデータをもとにしたデータによると、パートナーセールス(代理店営業含む)の平均年収は約614万円。
これは一般的な法人営業よりやや高めの水準で、SaaSやIT業界ではさらに高年収になる傾向があります。
経験年数別の年収目安
経験年数 / ポジション | 年収の目安 |
---|---|
初級(1〜3年) | 約400万〜600万円 |
中堅(3〜7年) | 約600万〜800万円 |
シニア・マネージャー(7年以上) | 約800万〜1,200万円以上 |
部長クラス・戦略責任者など | 1,200万円〜1,500万円超 |
特に外資系SaaS企業では、ベース年収に加えてインセンティブが支給されるケースが一般的。
成果によっては年収1,000万円〜1,500万円以上も十分に狙えます。
また、商材単価が高く、代理店経由での拡販が企業の成長戦略と直結している場合、パートナーセールスの価値は非常に高く評価されます。
実力次第で年収が大きく伸びる、まさに“ハイレバレッジな営業職”と言えるでしょう。
スタートアップ?外資系?企業タイプ別に見るパートナーセールスの年収の違い

パートナーセールスの年収は、業務内容だけでなく「どのような企業に所属しているか」によって大きく変動します。
特にSaaS業界では、スタートアップ、外資系、日系大手・上場メガベンチャー・中堅企業といった属性によって、年収レンジやキャリアの描き方が異なります。
スタートアップSaaS企業
- 年収レンジ:500万〜800万円
- 報酬構成:固定年収+インセンティブ(企業による)+ストックオプション(企業による)
※スタートアップはボーナス無しの年俸制が多い傾向です(+企業によって決算賞与)
- 特徴:制度が整っていないぶん、裁量が大きく、パートナー戦略をゼロから構築できるチャンスもあり。パートナービジネスの0→1を立ち上げた経験は、後のキャリアにおいて大きな財産となるでしょう。また、パートナーセールス未経験でもOKの求人もありますが、基本的には即戦力として活躍できる人材を求める傾向が強く、パートナーセールス経験の代わりに事業開発やエンタープライズセールス等の経験を求めるケースが多いです。
外資系SaaS企業
- 年収レンジ:800万〜1,500万円以上
- 報酬構成:高めのベース年収+成果連動インセンティブ+RSU(譲渡制限付き株式)
- 特徴:チャネル戦略が収益の中心となっている外資系SaaS企業が多く、そのような企業の場合はパートナーセールスの評価も高い。英語力が求められるケースが多く、経験者即戦力の採用が基本。
ただし、稀に直販が強い外資系SaaS企業の場合は、直販のFS>パートナーセールスという社内パワーバランスが顕著でパートナーセールスの立場が弱いケースがあるため、注意が必要です。
日系大手・上場メガベンチャー・中堅企業
- 年収レンジ:500万〜1,000万円
- 報酬構成:固定年収+賞与(営業成績連動)
- 特徴:安定性のある環境で、既存チャネルの深耕が中心。チャレンジングな設計よりも安定運用を求められる傾向にある。
ただし、一部メガベンチャーでは、直販を立ち上げ切った後にパートナービジネスを開始する企業もあります。そのような場合は既存チャネルの深耕ではなく、パートナービジネスの0→1の立ち上げ、パートナーの開拓などが必要となるケースもあります。
企業タイプによって求められるスキルや成長機会が異なるため、転職の際には年収だけでなく、自分の志向やキャリアビジョンに合った環境かどうかを見極めることが大切です。
年収アップを実現するパートナーセールスのキャリア戦略

パートナーセールスとして年収を伸ばすには、経験を積むだけでは不十分です。
どの企業で、どの役割を担い、どのスキルを磨くかといった、戦略的なキャリア設計が欠かせません。
年収が上がりやすいポジションとは?
SaaS業界を中心に、年収アップに直結しやすいのは「代理店経由売上のKPI責任を持つポジション」です。単にパートナーと関係を築くだけでなく、以下のような役割を担える人材が高く評価されます。
- パートナーの開拓・育成・売上マネジメント
- チャネル別KPI(売上・成約率・案件数など)の管理
- パートナー戦略の立案と実行
- 再現性のあるパートナービジネスの実現、仕組み化
高年収企業の特徴
- 商材単価が高く、SaaS型の継続課金モデルを採用している
- 成果連動型の報酬制度(インセンティブ・RSU)が整っている
- チャネル戦略を「攻めの営業施策」として重視している(事業戦略としてパートナービジネスを重要視している)
- 専任のパートナーセールスチームを有している
特に3つ目の、「パートナービジネスを事業戦略の中核に置いているかどうか」というポイントが極めて重要です。
採用企業の求人票やスカウトを確認する際、「会社としてパートナービジネスの重要視しているかどうか」をしっかりとチェックすると良いでしょう。
異業種からのキャリアチェンジも可能
たとえば、人材営業や広告営業などの無形商材の経験があり、以下のような経験があれば十分にパートナーセールスに転用可能です。
- Biz Dev(事業開発)の経験
→市場分析や新しいビジネスの方向性を描く能力、収益モデルや新たなビジネススキームを構築する能力はパートナーセールスでも活かせます。
- エンタープライズセールスの経験
→メインで提案しているカウンターパートのみではなく、関係部署等を巻き込んでいく必要があるため、その経験はパートナーセールスでも活かせます。
- 社外パートナーとの協業・プロジェクトマネジメントの経験
→社外パートナーおよびエンド顧客ともにWinとなる落とし所を見つける作業や関係者全員がWin-Winとなるように交渉し、落ち着かせる能力はパートナーセールスに活かせます。
- セールスイネーブルメントの経験
→パートナー企業の現場営業マンの方々が商材を販売してくるため、現場営業マンに対して再現性のある育成方法を展開できるようであれば、その能力はパートナーセールスにも活かせます。
重要なのは、自分の過去の経験をパートナーセールスと結びつけて言語化すること。
職務経歴書や面接でのアピール次第で、未経験からの年収アップ転職も十分に実現可能です。
【まとめ】キャリアアップを目指すなら、パートナーセールスという選択肢を

パートナーセールスは、今まさに注目を集めている営業職の一つです。
対応する業務が幅広いこともあり、もはや営業職というよりも事業開発に近い職能であると言えます。
SaaSをはじめとした成長市場で必要不可欠な存在であり、年収レンジは400万〜1,500万円超と幅広く、実力や環境次第で大きな収入アップが見込める職種です。
特に、SaaS業界・外資系企業・成長中のスタートアップでは、成果連動型の報酬制度が整っており、チャネル戦略を牽引できる人材には高年収のチャンスが広がっています。
企業タイプごとの傾向を理解し、自分のスキルと志向に合った環境を見極めること。
そして、代理店開拓・育成・売上戦略までを担える「仕組みをつくる営業力」を身につけることが、キャリアと年収を同時に伸ばす鍵となります。
また、異業種からのキャリアチェンジも十分に可能です。これまでの経験をうまく変換し、パートナーセールスとの共通点を言語化することで、転職市場でも高く評価される可能性があります。
さらに、2025年3月現在、転職市場においてSaaS業界のパートナーセールス経験者は非常に母数が少なく、採用する企業側からするとパートナーセールス経験者を採用する難易度は極めて高いと言えます。
SaaSプロダクトが右肩上がりで増えている以上、パートナービジネスはSaaS企業にとって切っても切れない戦略でありますし、加えてSaaSパートナーセールスの経験者不足という転職市況も考慮すると、パートナーセールスのキャリア価値はますます向上していくことでしょう。
年収アップと長期的な成長、ご自身のキャリア価値の向上を実現したいのであれば、今こそパートナーセールスという職種に目を向けてみてはいかがでしょうか?