こんばんは。
パートナーセールス研究会 発起人の葛西(@kasai_201406)です。
今月はパートナーセールス研究会主催企画「パートナーセールスアドベントカレンダー2025」を開催中!
1ヶ月に渡って実施してきたこの企画も、ついにラスト1週となりました!最終週となる今週も、投稿いただいたnoteのダイジェスト版を配信致します!
アドベントカレンダー開催概要や背景、参加者の詳細につきましては下記の記事をご覧ください。
また、今回のアドベントカレンダーは下記マガジンにて全noteをまとめさせていただいておりますので、是非フォローください!
【パートナーセールスアドベントカレンダー2025】
https://note.com/r_kasai32/m/m28b3c3c216d8
パートナー営業はパートナー様と新たなビジネスを創っていくこと(Sansan 小網さん)

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要約
- パートナー企業はメーカー製品がなくても事業継続できるため、選ばれる理由として「一緒にビジネスを創っている」と感じられるかどうかが鍵。
- 「経営課題」と「現場課題」の両方に向き合い、メーカー・パートナー双方が利益を得られる構造を作ることが本質。
- kintoneでは、構築役務や周辺サービスまで含めた収益モデルを整備し、営業・SE双方が扱いやすいビジネスフローを設計してきた。
- 拠点への挨拶回り、商談同行など“非効率だが重要な現場活動”を徹底し、営業メンバーとの信頼関係と情報量を蓄積することが最初のステップ。
- 経営層ではなく、まず部長・課長クラスを起点に「経営課題 × 現場課題」を紐づける形で提案し、少しずつ上層へ広げていく。
- 面談では「お願い事項」を明確にし、次に進むアクションを必ず握ることが重要。お願い事項が明確にならないうちは、まだ現場の活動が足りない証拠。
- パートナービジネスとは、顧客価値に加えてパートナー企業の課題解決まで担う高度な取り組みであり、その難しさが面白さでもある。
葛西のコメント
サイボウズの方々とはよくお話しする機会がありますが、この記事に書かれているようなスタンスが、どのパートナーセールスの方にも共通して“当たり前”として根づいている点が本当に印象的です。
特に「まずはとにかく現場が大事」という認識は皆さん一貫しており、社内全体で共有された価値観になっていることが伝わってきます。
パートナー企業の経営課題と現場課題の両方に向き合い、ビジネスとして成立する仕組みに落とし込んでいくプロセスは、一見シンプルに見えて実践は非常に難易度が高い領域です。それを継続し、さらに磨き込み続けているからこそ、多様なパートナー企業から信頼され、ビジネスを一緒につくる関係性が形成されているのだと感じました。
自分は他社のサービスを飛び込みで売ることができるのか?パートナーの営業さんに想いを馳せる。(カオナビ 高岡さん)

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要約
- パートナービジネスに携わる上で一貫して大切にしているのは「Give First(自分から先に相手に貢献する)」の精神。これにより本質的な信頼関係が構築され、エコシステム全体の協力的な文化が生まれる。
- パートナーセールスは放っておくと“自社中心の思考”に寄りやすく、相手からの信頼を失うリスクがあるため、意識的に相手ベクトルで動くことが欠かせない。
- 「Give First」に至った原体験は、若手時代に先輩から言われた、「メーカーにとっては一台でも、パートナー営業にとっては苦労の末に勝ち取った一台だ」という一言。
- この言葉によって、案件の裏にあるパートナー営業の努力やストーリーを想像する重要性を理解し、受注1件への向き合い方が変わった。
- 以降、「自分は他社サービスを飛び込みで売れるのか?」と自問しながら、パートナー営業の大変さに思いを馳せることを心がけている。
- パートナーがわざわざ自社サービスを扱ってくれる事自体が“当たり前ではない”という前提に立ち、問い合わせ対応のスピードなど、日々の細かい行動を大事にしている。
葛西のコメント
パートナーセールスの本質をシンプルに突き刺す内容であり、「Give First」の精神は何よりも大切です。特に、先輩からの「メーカーにとっては一台でも、営業にとっては苦労して取った一台」という言葉は、誰しもがハッとさせられる部分だと思います。
また、自社視点に寄りがちな現場で、「自分は他社サービスを飛び込みで売れるか?」と問い続ける姿勢は、パートナーセールスの現実への理解を失わないための強い支えになると感じました。
パートナーセールス研究会やこのアドベントカレンダー自体もまさに「Give Firstの精神」の塊のような皆様の支えがあってこそ運営できていると思っています。これからパートナーセールスに挑む方だけでなく、中堅〜ベテラン層に特にお読みいただきたい内容です!
商社が動き出すメーカー施策(スタメン 長谷川さん)

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要約
- 多くのメーカーが陥る失敗は、「製品紹介中心の勉強会で終わる」こと。製品説明だけではパートナーの頭の中で「誰に/どのシーンで提案できるか」が整理されず、紹介に繋がらない。
- 勉強会冒頭で「喜んでいただけそうな企業を思い浮かべながら聞いてください」と促し、終了後には具体的な企業名(見込み先)を参加者全員にヒアリングすることで、パートナーが提案先を想像し、次のアクションを明確にする。
- パートナー内での「火付け役」となるキーマンを徹底的にヒアリングし、特定テーマのソリューション研修などを実施。メーカーとパートナー双方にメリットがあるWin-Winの関係を築き、案件の広がりを作る。
- パートナーが動き出しやすいよう、メーカー側が提案の難易度を調整した同行パターン(松竹梅施策)を用意する。また、見込み顧客の選定や個別提案資料の作成・トークスクリプトのすり合わせなど、徹底的なフォローで獲得率を向上させる。
- パートナー推進の本質は、「契約や勉強会をやるか」ではなく、「パートナー様が動きやすい仕組み」をいかにメーカー側が主体的に設計し、成功体験となる「紹介のきっかけ(キャンペーン含む)」を意図的に作り出すか、に尽きる。
葛西のコメント
立ち上げ期にどんな壁があり、何をどう積み上げてきたのかが具体的に描かれていて、これからパートナービジネスを始める企業にはそのまま指針になる内容だと感じました。製品説明だけで終わらず、勉強会から見込み企業の抽出、同行、各案件の振り返りまでを一つの流れとして設計している点は、実務として非常に現実的です。
特に印象に残ったのは、DXツール診断を軸にしたアプローチ。エンドユーザーの利用ツールを聞き出して、空きポジションがあればTUNAGを提案するのは当然ながら、空いてなかった場合に他ソリューションへパスするという姿勢が素晴らしすぎる…!と思いました。
パートナー組織の立ち上げ期にいる方はもちろん、着任したばかりのPSにも役立つ内容で、メンバー育成を担うマネジメント層にもヒントが多い内容です!
パートナービジネスは事業戦略〜パートナーと継続的に成長するためには〜(RECEPTIONIST 鏑木さん)

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要約
- パートナー契約が大量にあるのに実績が出ない背景には、メーカーとパートナーの“立場”の違いがあり、パートナー側は取扱いを慎重に判断している。だからこそ、協業を長く続けるためには、開始前からの期待値調整が欠かせない。
- パートナービジネスは後から引き返すことが難しく、最初の「何を約束するか」「どこまでメーカーが責任を持つか」の判断を誤ると、後工程で大きなしわ寄せが発生する。
- 勉強会や初期オンボーディングの段階でも、営業同行・サポート範囲・開発可否など、パートナーが気にする点は細かく見られており、言ったことと実際の対応の差分が信頼に直結する。
- 特にサブスク商材は販売後の運用まで責任が続くため、「本当に任せられる会社か」「この担当はやり切るのか」が常にチェックされており、ここで齟齬が生じると関係が止まる。
- 期待値通りに動くためには、営業だけではなく社内のリソース確保が必要で、パートナービジネスは“先行投資フェーズ”が長い。だからこそ社内でも「なぜ今投資するのか」を説明し、実績で証明し続けることが求められる。
- パートナーがメーカーのために動いてくれている事実を起点に、期待値のすり合わせと実績づくりを積み重ねることで、長く続く協業関係をつくり、「双方の成長」を実現していくことが最大の恩返しになる。
葛西のコメント
メーカーとパートナーの立場を正面から扱った内容で、パートナー=ベンダー、パートナー>ベンダーというパワーバランスである際の内容を詳細に書いていただきました。そして鏑木さんもベンダー側のが立場が上だった経験が一度もないと仰ってますが、日本ではパートナー<ベンダーとなっているケースは極めて稀です。
「パートナービジネスは後から引き返しづらい」という指摘はその通りで、立ち上げ時の一つ一つの判断がその後の関係性に直結することを改めて考えさせられます。
また、社外だけでなく社内の期待値調整が同じくらい重要という点もまさしくそうで、いかに社内にその重要性を理解してもらって必要な経営リソースを確保できるか、それを確保するためにビジネスプランと結果の証明の繰り返しという話は、多くの企業に当てはまる内容だと思います。
一度でも不満を持たれた後に再浮上する難しさまで踏まえると、立ち上げからの一手一手がいかに重要かがよく伝わってくる記事でした。協力してくれていることへの感謝を起点に「双方の成長」を目指す姿勢は、パートナービジネスに携わる人にとって大事な視点ですね。
パートナー組織の作り方~採用戦略・評価制度・組織構築の考え方~(あしたのチーム 北川さん)

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要約
- フェーズ① 立ち上げ期: 組織立ち上げに際し、経営陣とのゴールを明確に合意する。初期メンバー(MAX3名)は、営業力だけでなく、思考力・業務設計力があり、ハードワークを乗り越えられる者を選定する。
- フェーズ② 土台作り: チーム立ち上げ後、契約内容の整理やパートナープログラム設計といった土台作りを迅速に行うため、最低2名で活動し、タスク消化数や進捗で評価する。
- フェーズ③ 活動期: メンバーを増員し、新規商談創出に注力する(受注は直販へパス)。人員選定では、ターゲットパートナーのペルソナに合ったタイプの営業マンをアサインする。
- フェーズ④ 成長期: 組織を10人規模に拡大し、立ち上げメンバーは受注を追うセールスへ、新規メンバーは商談創出を担うことで、成功の再現性を上げて横展開を図る。
- フェーズ⑤ 拡大期: 「等級制度」を明確にし、役職ごとに求める定量的・定性的な基準とミッションを設けて強固な組織を構築する。
- 人数が増えるほど活動が散らばりやすいため、役割の明確化・評価制度・コミュニケーション設計を先に整えることが重要。
葛西のコメント
パートナー組織の構築をフェーズごとに分解し、具体的にあしたのチームさんが辿ってきた組織体制の遷移がまとめられており、非常に参考になりました。
特に、立ち上げメンバーは「ただ売れる人」ではなく、「仕組みを考えられる人」で「ハードワーク」ができる人を選ぶべき、成長期に入り人数が増えてきたら既存の立ち上げメンバーと新人の役割を分担し、立ち上げメンバーがナレッジ化した成功パターンを横展開していくというのは非常に大事なポイントだと感じます。
また、拡大期に組織内での評価・昇格基準や各レイヤーのミッションがずれないように等級制度を設けるというのは不可欠ですね。
最後に

11月の1ヶ月間にわたり開催した「パートナーセールスアドベントカレンダー2025」ですが、いかがでしたでしょうか…?
今年もたくさんの方に投稿していただき、日々の仕事で感じたことや試行錯誤、ちょっとした工夫まで、普段なかなか聞けないリアルな話がたくさん集まりました。
そして今年は、人気記事を選ぶMVP賞を用意しています。MVP賞は、noteのスキ数と以下の投票アンケートをもとに決まります。役に立った記事や、共感した内容があれば、ぜひnoteのスキやアンケートで投稿者を応援していただけるととても嬉しいです!
▼パートナーセールスアドベントカレンダー2025/アンケート
https://forms.gle/ibvqkGqYXZ97CxLA7
最後になりますが、今年もアドベントカレンダー企画にご参加いただき投稿してくださった皆さま、本当にありがとうございました。皆さまの発信が、このコミュニティを前に進めています。
これからも、パートナービジネスを学べる場、パートナーセールス同士の横の繋がりを作る場を提供していきたいと考えておりますので、引き続きパートナーセールス研究会をよろしくお願いします!
今回の「パートナーセールスアドベントカレンダー2025」の各記事の要約は下記をご参照ください。
