こんばんは。
パートナーセールス研究会 発起人の葛西(@kasai_201406)です。
今月はパートナーセールス研究会主催企画「パートナーセールスアドベントカレンダー2025」を開催中!今週も、投稿いただいたnoteのダイジェスト版を配信致します!
アドベントカレンダー開催概要や背景、参加者の詳細につきましては下記の記事をご覧ください。
また、今回のアドベントカレンダーは下記マガジンにて全noteをまとめさせていただいておりますので、是非フォローください!
【パートナーセールスアドベントカレンダー2025】
https://note.com/r_kasai32/m/m28b3c3c216d8
7ヵ月で直販を超えるMRRを達成したパートナー商談管理術(コミューン 米山さん)

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要約
- コミューン社のパートナーアライアンス部門が、立ち上げからわずか7ヶ月で直販のMRRを上回る成果を上げた要因として、「パートナー商談管理の仕組み化」を紹介
- 複雑な商材特性(ファン/CS/インターナルの3用途、ホリゾンタル×バーティカルの中間領域)ゆえに、商談管理が属人的になりやすい課題を抱えていた。
- 直販との連携を重視し、PRMではなくSalesforceを“パートナー商談向けに改修”する方針を選択。
- Salesforce上にパートナー専用の商談管理を構築し、専用オブジェクトの設計、課題領域ごとのフラグ付けをしたうえで、直販側の商談とも相互に関連づけて確認できる仕組みにした。
- 結果として、直販部門との情報連携が高度化し、提案効率が向上。
- パートナー側も進行状況が可視化され、適切なフォローとナレッジシェアが実現。
- 最終的に、7ヶ月で直販MRRを超えるチャネルに成長した。
葛西のコメント
パートナー経由の商談管理について、自社のプロダクト特性と自社の組織都合(直販が優先的)、直販部門と同期での商談管理を優先して、SalesforceのSales Cloudをパートナーセールスナイズして管理したという記事。
PRMの導入ではなく、自社の特性を加味した上でSalesforceでオブジェクトを作って管理し、直販部門との情報共有の密度が高まったことから7ヶ月で直販のMRRを上回る結果を生み出したというのは本当に素晴らしい成果の一言…!!
パートナー経由の商談管理に課題を抱えている方は是非読んでみてください!
パートナーサクセスのプロセスと循環(スマートドライブ 高田さん)

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要約
- パートナーサクセスを成功させる鍵は、「体系化された仕組み」と「パートナー企業への深い解像度」の両立
- パートナーの成熟度(Tier1〜3)に応じて役割とアプローチを最適化し、商流の伸びしろを明確化。
- パートナーマーケティングは、紹介が自然に生まれる環境設計に注力し、成熟度別KPIで活動を管理。
- パートナーカスタマーサクセスは、導入後の負荷軽減と成果創出(活用事例・アップセル)を同時に担う。
- 商流が停滞する原因は“知識不足”ではなく、パートナー企業の内情(評価軸、注力領域、リソース状況)にあるケースが多い。
- 各プロセスが単発で動くのではなく、PCSが生んだ成果や学びがPMK・PSに還元され続ける“循環型モデル”が商流拡大の基盤になる。
葛西のコメント
パートナー別での成熟度設計から、パートナーターゲティング〜パートナーカスタマーサクセスまでを一連で循環させるモデルまで、自社のパートナービジネスの全体像が非常に整理されており、読み応えがありました。
特に、商流が止まる理由の多くが“パートナー企業側の評価軸や業務状況”に起因する点は、パートナーセールスに携わる皆さんが強く共感される部分だと思います。パートナービジネスの仕組みの体系化と、パートナー各社への解像度向上を両輪で進める重要性が非常にわかりやすくまとめられており、まさに現代のパートナービジネスの教科書ともいうような素晴らしいnoteでした!
5分でわかる!かも?:Box Japanによる100%パートナーモデルの用量と用法(Box Japan 安達さん)

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要約
- Box Japan は日本市場において、直販を持たず、完全な“100 %パートナーモデル”を採用
- このモデルを実現するために、下記を実施
└① ハイタッチ営業チームを設け、パートナーが持つ案件をBox側が共同で育てる構造。
└② パートナーの育成・エンゲージメントに注力。製品知識だけでなく、SaaSの“売り方”までトレーニング - 日本でこのモデルが機能した背景は
└ Boxがインフラ的性格の強いサービス(コンテンツ管理基盤)であること
└ SIerが強い日本市場にて、SIerをパートナーとして活用できたこと - Boxは直販を持たないためパートナーと競合せず、SIerのソリューションに組み込まれやすい。その結果、BoxはSIer経由で大規模・複雑な案件にも対応できるようになっている
- Box Japanのパートナー戦略は、単に販売を任せる戦術ではなく、「事業戦略の一部」として位置づけられている
- 現在の成長は、パートナーとの共創を通じて地道に積み上げた結果である
葛西のコメント
100%パートナーモデルで成果を上げ続けているBox Japan様。
パートナーと競合しない前提があるからこそ、SIer側も安心して自社ソリューションに組み込みやすく、大型・複雑な案件へ自然に広がっていく点が印象的でした。日本市場に合わせた初期戦略の判断と、この10年の地道なパートナー支援の積み重ねが、現在の強いエコシステムを形づくっていることがよく伝わってきます。
また、パートナービジネスで伸ばしていくのであれば、パートナー戦略を「パートナー営業組織だけの戦略ではなく、事業戦略の一部としてのパートナー戦略」にすることが重要であるというのは間違いありません!パートナー側が自社ソリューションへの組み込みを前提に動く以上、提供側の本気度が問われるのは当然だと思います。
それにしても、Boxのトレーニングプログラムの中身が気になるところです…!
あなたの「アライアンスセールスチーム」はどのような組織ですか?(リセ 大塚さん)

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要約
- 現在の組織は少人数ながら、マーケ・IS・FS・CS・営業事務が揃い、アライアンスに必要な機能をチーム内で完結できる構造を持っている。
- 施策提案、コンテンツ準備、架電支援、商談同席、導入後フォローまでを一気通貫で回せるため、パートナーへの提供価値がブレずに積み上がる。
- 各メンバーが自分の専門性を起点に連携し、必要な動きを“前提なく”自然に引き取れる文化が形成されており、小規模組織でも実行力が落ちない。
- 得られた知見や成功パターンがチーム内に蓄積され、似た施策へ横展開できるため、組織としての再現性が高まっている。
- チームの軸としてOKRを運用し、数字の進捗管理だけに偏らず、目指す姿と行動の方向性が全員で揃う状態を維持している。
- OKRミーティングの頻度を高め、活動の詰まりや改善ポイントを短いサイクルで解消することで、施策の質とスピードが両立できている。
葛西のコメント
人数規模に対して、アライアンスで必要となる機能をきちんと揃え、それぞれのメンバーの得意分野を活かしながらパートナービジネスを推進している点が印象的でした。メンバーがそれぞれの専門性を起点に自然と活動・連携できる状態になっており、少数精鋭チームでもパートナー向けのさまざまな支援をお互いがお互いを補完しあって展開できているのは非常に大きな強みですね。
また、OKRをチームの軸に据えて運用しているため、数字だけを追うのではなく、「どんな状態をつくりたいか」が全員で揃っており、短いサイクルで進捗を振り返って詰まりを解消していくことで、施策の質が継続的に上がっていく構造も参考になります。
パートナーチームの組織体制や運営に悩む企業は必読です!
パートナービジネスの最重要テーマは 「組織攻略」である(SmartHR 清水さん)

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要約
- 「組織攻略」とは、商材を売ってもらう関係ではなく、パートナーの「事業戦略に入り込み、共にビジネスをスケールさせる」こと。
- 戦略・KPI・投資領域・拠点方針・営業サイクルまで把握しないと組織は動かない。
- 定例会は情報交換ではなく戦略会議。年間売上や案件創出目標、共同施策、役割分担、KPI、エスカレーションまで握る。
- 担当者レベルでは限界があり、上席のコミットが取れた瞬間から組織横断で一気に動き始める。
- パートナーの営業活動サイクル(例:金融機関の決算期など)を深く理解し、その組織に合った「勝てる施策」を提案することが重要。
- アライアンス営業に求められるのは「活動量 × 質」。特に“質”=戦略的な提案力・施策設計力を差別化することで、「この会社と組む意味がある」という評価につながる。
- パートナービジネスとは、単なる販売チャネルづくりではなく、パートナーの事業を共にスケールさせる「経営パートナー」になることが本質。
葛西のコメント
パートナー側の事業戦略に“入り込む”という視点が一貫しており、組織攻略を軸に据えたアプローチがとても実践的でした。特に、定例会を“戦略会議”として扱い、上席を巻き込んでいくプロセスは、実際の協業を加速させるうえで欠かせない視点だと感じます。
また、パートナーとの協業がうまく進まない大きな要因の多くは、パートナーの事業構造や営業サイクル等の理解、上席の巻き込みなどができていないということが本当に多いです。
パートナーへの理解を深めながら、「パートナーの事業を共にスケールさせる“経営パートナー”になること」こそが、まさにアライアンス・パートナーセールスのゴールかと思います…!
日本のパートナービジネスの難しさ(パートナーセールス研究会 葛西)

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要約
- 「メーカー<パートナー」というパワーバランスからスタートするということを前提で考えておくことが重要である
- パートナー契約直後からパートナー側と目標を握る、トップダウンで落としてもらうのは非常に難易度の高いミッションである
- 「メーカー<パートナー」の状態だと、ポータルサイトやPRMへのログインは機能しない
- パートナー側の信頼残高が溜まっていくような活動やパートナーさん側が得られるメリットをいくつも作る活動に徹し、徐々に「メーカー≦パートナー」→「メーカー=パートナー」といった具合に真のパートナーへと昇格していく
- パートナー企業ごとの習熟フェーズに分けて管理し、習熟フェーズに合わせてKGI/KPIを分けること
- パートナー企業の営業担当単位での情報管理・フェーズ(習熟度)を管理し、スコアリングしていくこと
- パートナー側が望むコミュニケーション手法に合わせること(パートナー側が利用するチャットツールに合わせてチャンネルを設けることを推奨)
葛西のコメント
日本でパートナービジネスを始める、または再構築していく上で参考になるように、日本のパートナービジネスの構造やさまざまな変数、前提として抑えておくべき・把握しておくべきことなどについて整理、まとめさせていただきました!
第3週の投稿者
パートナーセールスアドベントカレンダー2025の第3週目は、下記赤枠の6名に投稿いただきます!!

今週のアドベントカレンダー投稿も皆様お楽しみに!!
