パートナーセールスという職種は、近年ますます注目を集めていますが、その年収がどの程度なのか気になっている方も多いのではないでしょうか?
今回は、パートナーセールスの年収について深掘りし、その要因やキャリアの見通しについても触れていきます。
パートナーセールスの平均年収は?
パートナーセールスの年収は、経験や業界、担当する製品・サービスによって大きく異なります。一般的に、日本国内のパートナーセールスの年収は次のように年齢や経験に応じて変動します。
- メンバー:
400万円〜600万円程度。業界経験が浅く、担当するパートナーの規模は比較的小さい場合が多いですが、マネージャーの支援のもとで大きなパートナー企業を担当することもあります。 - マネージャー、スペシャリスト:
700万円〜1200万円程度。パートナーセールスチームのマネジメントをする立場になると、チーム全体の目標を追いかけたり育成も任されるため、収入も上がってきます。
また、スペシャリスト職能の方になると、担当するパートナーやプロジェクトも重要度が高い先を任されるため、必然的に収入も上がってきます。 - 部長職、シニアスペシャリスト以上:
1000万円〜1500万円以上。シニアクラスの担当者や部長クラスになると、業界での知識やスキルを活かし、より高い年収を得ることができます。
例えば、10年以上のパートナーセールス経験を積んだシニアクラスの担当者になると、1200万円以上を得るケースもあったりします。
例えば、IT業界やSaaSビジネスにおいては、特にパートナーセールスの需要が高く、給与水準も比較的高い傾向にあります。
これは、複雑な製品を理解し、パートナー・エンドクライアント・自社の三方がWin-Win-Winとなるような提案をする能力が必要とされるためです。
また、外資系企業で働く場合、基本給の他にインセンティブが付くことが多く、年収が1500万円を超える場合もあります。
特にSaaSのパートナーセールスの経験者は転職市場にもまだ少ないため、市場価値が非常に高いです。
パートナーセールス(PS)、インサイドセールス(IS)、フィールドセールス(FS)の年収の違い
パートナーセールス(PS)、インサイドセールス(IS)、フィールドセールス(FS)では、年収にも違いがあります。
- インサイドセールス(IS):
日本国内におけるインサイドセールスの年収は、一般的に350万円〜700万円程度です。
特に若手が多く、効率的にリードを獲得する業務内容であることから、比較的年収は控えめな傾向にあります。
ただし、経験を積んで成果を上げ、マネージャーに昇格すれば年収は増加します。
また、ISはFSやCS(カスタマーサクセス)、Bマーケ、PSなどに異動するための育成機関と見做している企業も多いです。
- フィールドセールス(FS):
フィールドセールスの年収は、500万円〜1200万円程度が一般的です。
担当する企業規模によってチームが分かれることが多く、SMB(中小・ベンチャー企業群)を担当するFSよりもエンタープライズ(大手企業群)を担当するFSの方が年収は高く設定される傾向にあります。
エンタープライズセールスの方が年収が高い理由としては、エンドクライアントの1部門のみに留まらず、複数の部門を巻き込んで受注まで導く必要があるため、SMBセールスよりも難易度が高いためです。
また、リーダー・マネージャー・部長と昇格していけば、当然年収も上がっていきます。 - パートナーセールス(PS):
パートナーセールスの年収は、経験を積んだシニアクラスでは1000万円〜1500万円以上となることが一般的です。
パートナー企業との長期的な関係を構築し、パートナーを動かして共にビジネスを成長させることが求められるため、インサイドセールスやフィールドセールスに比べて難易度が非常に高く、そのため年収は高い傾向にあります。
また、特にSaaSのパートナーセールスの経験者となると経験者がまだ少ないこともあり、転職市場価値が非常に高いため、年収が高くなる傾向にあります。
未経験の方はインサイドセールスから、若手の方はFSからキャリアを積んだ後、PSに異動するのもオススメです!
年収を左右する要因とは?
パートナーセールスの年収を決定づける要因には、以下のようなものがあります。
- 経験年数とスキル:
経験豊富で高い成果を上げてきたパートナーセールスは、高額な報酬を得やすいです。
特に、パートナーとの関係を深める深耕スキルや共催セミナー等のマーケティングスキル、パートナーの営業メンバーを巻き込むマネジメントスキルなど、幅広い事業開発の能力が重視されます。 - 担当する業界:
ITやソフトウェア業界でのパートナーセールス経験があると年収が高くなる傾向にあります。
特に、SaaS領域のパートナーセールス経験があると年収が高くなる傾向にあります。
逆に、直近はパートナーとなる企業側にいた人材をSaaSメーカー側で採用するケースも増えており、パートナー企業側で長年経験されていた方であると年収が高くなる傾向もあります。 - インセンティブの構造:
外資系企業であるとコミッション制度がある会社が多いため、成果次第で大幅に年収を上げることも可能です。
一方で、日系のSaaS企業ですと、コミッション制度を設けている企業はまだ少ないです。そのため、外資系企業に勤務した方が年収という観点では上がる傾向にあります。
パートナーセールスはFSのスキルはもちろん、マーケティングやマネジメント、事業開発などさまざまなスキルが求められます。
キャリアのステップアップで年収を上げるには?
年収を上げるためには、スキルアップと成果の積み重ねが重要です。具体的には、以下のようなキャリア戦略が有効です。
- 圧倒的な成果を残す:
パートナー企業の信頼を獲得し、圧倒的な成果を残せば年収は上がります。
成果が残せていない状態で転職したとしても、年収アップには繋がらないことが多いです。
まずはパートナー社内でのファン(仲間・味方)を1人でも多く作り、圧倒的な成果を残すことに注力しましょう。 - 業界知識の深耕:
担当する業界について深い知識を持つことで、パートナーにとっての信頼できるアドバイザーになれます。
それにより、結果的に高収入につながります。 - ネットワーキング:
パートナーとの関係構築はもちろんのこと、業界全体でのネットワーキングも重要です。
多くのコネクションを持つことで、新しいチャンスやオファーが増え、年収アップにつながります。
また、XやFacebookといったSNSを活用した自己ブランディングも重要で、自身の存在感を業界内で高めることがチャンスを広げる鍵となります。 - マネジメントスキルの習得:
パートナーセールスとしてチームを率いるようになると、年収の幅が広がります。
マネージャーや部長クラスになると、さらに高い報酬が期待できます。
まとめ
パートナーセールスの年収は、経験、業界、スキル、そしてインセンティブ次第で大きく変動します。
市場価値を高めるためには、業界知識を深め、パートナーと強固な関係を築くことが重要です。
また、自分のキャリアを見据えてマネジメントスキルを磨くことで、より高い収入を目指すことができます。
パートナーセールスとして成功するためには、単に売上を上げるだけでなく、パートナーとの信頼関係を構築し、共に成長する姿勢が求められます。
それが結果的に、自分の年収にもつながるのです。