パートナーセールス研究会の葛西(@kasai_201406)です。
前回の記事「パートナー企業の管理すべき“担当者情報”完全ガイド②」から少し期間が空いてしまいましたが、前回の記事では担当者カルテで追加で抑えるべき7項目を解説しました。
今回はその第3弾を書かせていただきます!
担当者カルテでさらに抑えるべき項目
前回・前々回の記事で書かせていただいた14項目に加え、今回は新たに5項目を追加しています。
①社内推進力(社内政治力)
同じパートナー企業でも、組織内の影響力は営業担当者ごとによって大きく異なります。
- 社内で信頼されているか?
- 決裁者とどれくらい近いか?
- 他部署・他支店を巻き込む力はあるか?
- 若手でもスター候補・Nextリーダーの可能性は?
これらの情報を各営業担当との何気ない会話の中から入手し、各営業担当から仕入れた情報の総合値として各営業担当の社内推進力のパワー値を管理されると良いです。
「巻き込み力」= パートナー売上の再現性
その担当者が次のフェーズに行くタイミングを掴めると、連鎖的に成果が出ます。
②自社(メーカー側)への関心度(温度感)
各営業担当ごとの自社(メーカー側)への関心度の高さも管理しておくべき担当者の情報です。
- 自社が開催したパートナー向けイベントや研修への参加回数
- 会社対会社の会食を除いた個別の飲み・ランチ・お茶などの回数
- 自社への自主的な打ち合わせ実施
- パートナー側主催のイベントへの招待頻度
- 自社(メーカー側)の取り組み/プレスリリース/ニュースへの反応度
- 共同マーケティング活動への貢献度(例:共催セミナー実施時の集客貢献)
これらの関心度を示す営業担当は、あなたの会社の商材を「もっと売りたい」「もっと知りたい」と思っている証拠です。
関係性は定量化することで初めて改善できる
地味ですが、長期戦で大きな差を生む指標です。これらの関心度を示す動き・サインをスコアリングし、パートナー側の営業担当者ごとの関心度を定量的に測れるようにしましょう。
③見込み案件の共有姿勢
- 積極的に案件リストを共有してくれるか?
- 積極的に提案したい企業に関する個別相談をしてくれるか?
- 提案の進捗を定期的に報告してくれるか?
- 営業活動への同行に前向きか?
上述の②にも付随しますが、これらの具体的な動きがある営業担当者は、上述の②で挙げたようなサインよりもさらにHOTなシグナルを出す営業担当者であり、それが誰なのかは必ず抑えておくべき情報です。
情報透明性 = 信頼残高
ただし、「動いていると言いながら実は…」ということも起こります。この項目で“動く担当”“止まる担当”を切り分けます。
これらの動きをしてくれる営業担当者については、それぞれの動きに関する頻度・回数などを定量的に管理し、スコアリングしていきましょう。
④周りからの評価(レピュテーション)
- 同僚やマネージャーからの信頼度
- “あの人なら任せたい”と言われるか
- 社内表彰歴・評価面談の雰囲気(推定含む)
評判の良い担当者は困った時に助けてくれる仲間が多い。
逆にレピュテーションが低い担当者との協業はリスクも。
これらの情報を各営業担当との会話の中から入手し、レピュテーションの高い営業担当者は誰なのか、逆に低い営業担当者は誰なのか、しっかりと情報管理しましょう。
※会話の中から入手する際に、会話する営業担当者ごとの行動特性に合わせて、ヒアリングされると良いかと思います(下記参照)
⑤将来のキャリアとロイヤリティ
- 今後のキャリア志向(営業職を継続?マネジメント路線?別職種にキャリアチェンジ?)
- 転職意向が高くないか?
- 会社への忠誠心がどの程度あるか?(この会社が好きか?)
- 担当変更リスク(産休・異動・退職など)
長期的な成果は、担当者の任期にも大きく依存します。
だからこそ、特に拡販していただいている営業担当者やスコアリング数値が高い担当者から優先して、これらのキャリア思考や会社への想いなどを伺い、事前にリスクを検知しておきましょう。
第3部のまとめ
パートナーセールスの成果を最大化する鍵は、
人を知り、人を動かすこと
KPIや制度設計と同じくらい、担当者ごとの“温度”と“動機”の管理が重要です。
「担当者カルテ」は、単なるメモではありません。
パートナー営業を成功へ導く、最強のマネジメントツールです!
ここまで、パートナーの企業単位・営業担当単位での蓄積すべき情報について解説してきましたが、のパートナーカルテ・担当者カルテを成果へ転換する活用術について、気になる方は是非ご質問・お問い合わせください!
