セミナーレポート

【セミナーレポート】スタートアップが大企業とどう組むか?―HQ×大塚商会、協業の舞台裏(2025/11/27開催)

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パートナーセールス研究会 発起人の葛西(@kasai_201406)です。

今週は、先週11/27(木)に開催させていただいたパートナーセールスセミナー「スタートアップが大企業とどう組むか?―HQ×大塚商会、協業の舞台裏」のセミナーレポートを書かせていただきます。

スタートアップが大企業とどう組むか?―HQ×大塚商会、協業の舞台裏

パネリスト・企業紹介

  • 株式会社HQ
    執行役員 事業開発部長
    稲垣 亮太 氏

    事業開発部 担当部長
    窪田 美波 氏

HQ視点から語る、協業1年間の軌跡とパートナー戦略

HQ 稲垣氏:
HQの稲垣と申します。大塚商会さんとの協業がスタートしてからちょうど1年経ったところなんですが、どんなことやってきたかというのを、今日は全部惜しみなく共有させていただきたいと思います。

実は私自身、これまでパートナーセールスの経験がなく、1年前にある方の紹介でこのコミュニティに入りました。いろんな方と繋がり、ここで学ばせていただいたことを実践した結果今があるので、今日はこれまでやってきたことを全部を共有して、このコミュニティに少しでも恩返しできたらと思いこの場に立たせていただいています。

HQ 稲垣氏:
HQは、創業5年目の福利厚生業界のスタートアップです。現在4つのプロダクトを展開しており、本日ちょうど5つ目のプロダクト「健康促進HQ」をリリースしました。今後も続々と新サービスを発表する予定です。昨年末に大型の資金調達を行い、現在急成長中です。私はその中で今はパートナーセールスやアライアンスを担当しています。

後ほど話してもらいますが、横に座ってる窪田さんは大塚商会さんの協業の責任者です。私はパートナーセールスやアライアンスの全体を担当していますが、実際に大塚商会さんとの協業の全体感や、実際に現場に入って商談を創出して、受注してというところは窪田さんがリードしています。

HQ 稲垣氏:
簡単にHQの事業をご説明すると、福利厚生を今の時代に合った新しいものにするということに挑戦しており、「福利厚生をコストから投資に」というビジョンを掲げて事業をしています。

福利厚生というと「映画が安く観れる割引クーポン」のようなイメージを持たれたり、従来の福利厚生サービスだと一部の時間がある社員だけがヘビーユーザーになっているということがおきがちですが、HQは社員一人ひとり異なるニーズに対応して、人事戦略とも連動した、今の時代に相応しい新しい福利厚生を実現するための、様々なサービスを提供しています。

大塚商会様との取り組み

HQ 稲垣氏:
ここからは大塚商会さんとの協業の歩みについて説明します。まず最初の接点ですが、昨年4月にカフェテリアHQのローンチイベントを行い、そこで橋本さんと上司の方をご招待させていただきました。

そこで「福利厚生はパートナービジネスと相性が良く、HQはその中でもこれから急成長が見込まれており、HQのパートナーセールス立ち上げの際には是非ご一緒したい」と口説いて、大塚商会さんの福利厚生のニーズがありそうなお客様に試験的にいくつか商談をしたところ、あっという間に受注実績が生まれ、これは確かに可能性があるねとなり、そこから協業を本格的に進めていくことになりました。

その後、エンドースコメントを頂いたプレスリリースを発表して、大塚商会様のオウンドメディアにおすすめ商品として掲載いただき、SI部門全体での勉強会の機会もいただきました。

HQ 稲垣氏:
そこからは窪田さんが大塚商会さんとの協業をリードしてくれるようになり、大塚商会さんの全拠点の責任者へ個別訪問をして、拠点毎や課毎に人事領域やサービスの理解を深める勉強会や、スクリプトを用意してどうやってアポイントを取得するかの勉強会を行いました。

拠点や課ごとによって戦略が異なるため、それぞれの状況に合わせた関わり方を丁寧に考えました。また四半期ごとに一部は、他社様と共催の形でウェビナーを開催しました。これらの活動自体は皆さんも既に馴染みがある活動だと思いますが、とにかく当たり前の活動を質・量ともに徹底的にやり切るということを意識していました。

徐々に紹介と受注が積み上がっていく中で、協業が成功したパートナーとして統合報告書のインタビュー記事にお声がけいただくこともできました。

HQの協業の考え方

HQ 稲垣氏:
後付けにはなってしまいますが、これまでパートナーセールスとアライアンスに取り組んできた中で、協業構想を考える上で大切にしているポイントを、まとめてみたのがこちらです。

  • ➀カスタマーへの提供価値の明確化
    └パートナー企業様の先にいる顧客にどういう提供価値を出せるか
  • ②パートナー課題解決への寄与:
    └大塚商会様の事業戦略上の課題にどれだけヒットさせられるか。
  • ③ベンダー差別化と相乗効果:
    └パートナー同士が競合になる中、棲み分けて異なる提供価値をちゃんと提供できるか。
  • ④カンパニー戦略との整合性:
    └直販と比較してROIが見合うか、中長期的な自社戦略と合致するか。

HQ 稲垣氏:
大塚商会さんをはじめとする大手企業さまとの協業が成果につながり、2023年時点では直販のみでしたが、この二年間で現在はパートナー経由が逆転しました。現在は生命保険会社、商社、HRテック企業との協業を中心にやってますが、来年対外発表予定ですが、すでに複数の異なる業態の大手企業さまとの提携が水面下で進んでいます。

HQは、数十年の歴史がある福利厚生業界の中では完全に最後発でして、プロダクトには圧倒的な強みを持つ一方で、まだ今はリソースも社会的信用も足りないので、この福利厚生産業を変革していく構想に共感いただいた様々な業態の大手企業さまとともに、産業変革のエコシステムを創っている最中だと思って取り組んでいます。

葛西:
ありがとうございます。すごいですね、約2年弱でもう直販とパートナーが逆転しているんですね。2年弱で逆転というのはなかなか難しかったと思います。そのあたりもぜひ後ほどのQ&Aセッションの質問で色々話していただければと思っています。

今度は逆に大塚商会様側からの視点で、ぜひ橋本さんからお話伺いたいなと思っております。

大塚商会視点から語る、パートナー視点での「営業変革」と「ストーリー設計」

大塚商会 橋本氏:
大塚商会の橋本です。HQ稲垣さんのスライドを見て怒涛の1年を思い出しました。

私は元々2001年に大塚商会に入社し、ほぼ営業の人生を送っていましたが、3年ほど前にプロモーション・マーケティングの方に立ち位置を変えました。

私自身も色々学ばせていただきながらHQさんとお付き合いさせていただきました。私の所属する業種SI部門は「DX統合パッケージ」を主要商材とする営業部隊を率いており、「DX統合パッケージ」は当然メイン商材ではあるのですが、そこにフックする商材を色々探してきたり一緒に育てたり、そのような支援をしながら活動しています。

大塚商会 橋本氏:
最近では「みらいカケル中小企業」というYouTubeチャンネルも立ち上げました。

お客様に情報を届けたいというチャンネルではありますが、SaaS系企業をはじめとしたパートナーの皆さんと一緒に手を組んで運営していきたいと考えています。多くのパートナーさんにも参戦いただき、様々な領域で中小企業の経営に役立つ情報を一緒に提供していきたい。中小企業のリアルな声に耳を傾けていきたいと思っていますので、ぜひチャンネルを通して中小企業シーンのリアルをご体感いただければとも思っています。

大塚商会のビジネスモデル

大塚商会 橋本氏:
大塚商会は「オフィスまるごとで日本を元気にする」ということで、山ほどいろんな商材を取り扱ってる会社になります。

年間でお取引している企業数が、だいたい29.5万社くらいあります。所説ありますが日本の中小企業全体が300万〜360万社と言われている中で、そのうち約30万社が毎年動いている計算になります。つまり、ざっくり10社に1社くらいの割合で、何かしら当社と接点を持っていただいている、そんな会社です。

大塚商会 橋本氏:
その30万社に対して、パートナーとして連携いただいている企業が約2400社もあります。正直、私も知らない商材が山ほどあります。取扱い商材は数百万点の登録があるらしく、営業が覚えきれないという声も普通に出てくるレベルです。笑

その中で私が所属する業種SI部門に関しては、年間で基幹システムを4000件ぐらい支援していて、その中でいろんなフックとなる商材を一緒に紹介させてもらってる、そんなビジネスをさせていただいています。

大塚商会 橋本氏:
冒頭で“主要商材”という話がありましたが、当部門が一番販売したいのはこの基幹業務システムの「DX統合パッケージ」なんですよね。グループウェアと一連で使えるような仕組みになっていて、データや業務を一つの統合基盤でつなぐ、そういうコンセプトのイメージになります。

この中で核になるのが、販売管理、財務管理、人事給与管理モジュールです。その周りに、いろんなSaaSメーカーさんの商材が連携商材として並んでいる、そんな商材配置となっています。

大塚商会 橋本氏:
今回のHQでいうと、この人事部門領域でスクラムを組んでいったという話になります。SmartHRさんやビズリーチさんなど、様々なHR系サービスが並んでいるのが分かると思います。

「基幹業務システムいりませんか?」と伝えて、「じゃあ欲しいです」となることは少ないわけです。ですので、こういったSaaS商材をフックにさせていただいて、最終的には当社の基幹システムにつなげる、そんなストーリーをいつも描いています。

営業への訴求:物売りから事売りへ

大塚商会 橋本氏:
こちらはHQさんを取り扱うことになったときに、営業向けの勉強会で話した内容です。

我々はITの会社なので、基本スタンスとして「〇〇管理システムいりませんか?効率化しませんか?」というのが定席なんですね。労務管理どうですか、採用管理をシステム化しませんか、勤怠管理どうですか、と。

ただ、結構言われるのが「いや、その前に人が欲しいんだよ」と冗談交じりに言われてしまうシーンがよくあります。もしかしたら皆さんも言われることがあるかもしれません。

今までは、そこを「そればっかりは…」というようにはぐらかすしかなかった、「まずシステムを整備すると見える化が進むので…」という感じで、システム整備に寄せた話をしてきたわけです。

当たり前なんですけど、日本は人口がこれからも減っていくのは目に見えているので、この“人が足りない”という傾向は今後も強まっていくわけです。そんな中で、今後もずっと「システムいりませんか?効率化しませんか?」だけで当社は対応できるのかという事を営業向けに話しました。

大塚商会 橋本氏:
我々が今までやってきたのは、この手前の前半フェーズなんですよね。「業務効率化しませんか?」と提案して、〇〇システムを入れると見える化が進んで会社の状況が分かりますよ、と提案しています。

ただ、見える化の“その後どうするか”が本当に大事で、我々はこの先の部分に手が付けられていない。だから「人が足りない」と言われた時に返せる言葉がない。そういう構造になっているわけです。なので、この“その先に何も打ち手が提供できない状態”を変えたい、という話をしました。

大塚商会 橋本氏:
結局、我々が「〇〇管理システムいりませんか?」と言っているのはIT整備の部分だけなんですよね。でもその後には人事施策があって、最終的には経営戦略につながっている。経営が変わらなければ結局結果は出ないわけです。経営を変えるところまでセットで語れないと、営業としてリアリティがないと思うんですよね。

営業は物売りでは通用せず、リアルな課題解決が求められています。IT整備だけで満足してしまうと、中小企業は前に進めません。だから、この戦略の部分にどうタッチするか、大塚商会として備えていきましょうという話をしました。これがまさに人的資本経営につながる部分だと思っています。

DXのラストワンマイルをパートナーシップで完成させていく、というのが我々の想いで、カフェテリアHQがまさにストーリーを繋いでくれた。

我々はIT企業なので、正直な話し福利厚生領域に注力したいわけではなかった、「営業を物売りから脱却させる」「打ち手までセットで語れるようになる」というテーマがありました。当初、稲垣さんに「IT営業が人的資本経営を語れるようにしてほしい」と無茶な相談をして、「それは無理」と笑われたのですが、そういった裏テーマがありました。そこにHQさんは試行錯誤で答えてくれたという事になります。

大塚商会 橋本氏:
取扱いから1年が経過して「人をくれよ!」と言われたときに、今までは“それはちょっと…”と笑って胡麻化していた営業が、少しずつ「こういう手立てもありますよ」と返せるようになってきた。その結果、「大塚商会はちょっと違うな、話を聞いてみたい!」と思ってもらえるような導線をつくっていきたい、そんなイメージです。

ここまでがITの営業にどういう風に訴求したか、福利厚生という今までと全く違う領域をどのようにインストールしてきたかというところです。
ここからは、では「どのように進めていったのか」というお話をします。

具体的な認知活動について

大塚商会 橋本氏:
具体的な進め方として、まずはプレスリリースやオウンドメディアであるERPナビのようなメディアに掲載するところから始まりました。

そのうえで、営業向け勉強会を開いて、ウェビナーをフックに営業を動かしていく。このあたりは、パートナーセールスの皆さんなら、かなりやっていらっしゃることかなと思います。

  • プレスリリース・メディア掲載:
    └プレスリリースやオウンドメディアへの掲載を通じた初期の認知拡大。
  • 業種SI部門全体勉強会:
    └サービスの理解促進のため、大塚商会のSI部門全体を対象とした勉強会を実施。
  • 全国拠点行脚:
    └窪田氏が中心となり、全国の拠点責任者を個別訪問。

大塚商会 橋本氏:
特に大きかったのが、勉強会の全国行脚です。去年の12月〜1月ぐらいは本当に死ぬほど大変だったと話していたんですが、大塚商会は全国に拠点がありますので、そこをめちゃくちゃ回ってもらって、とにかく顔を売ってもらいました。

最初は当部門の中だけのお話だったのですが、全国で顔を売ってもらったことでさまざま部門の人間と交わるようになりました。結果、2月の実践ソリューションフェアという大きなイベントに、ぜひHQさんを置いてくれという話が、現場の営業から上がってきたんですね。

ソリューションフェアは大塚商会全社のイベントなので、ここで一気にHQの認知が広がりました。後から急遽出展していただいたので、端っこの小さなブースをなんとか無理やり確保したのですが、プロダクト自体がすごくキャッチーだったこともあり、それでも当日は長蛇の列ができました。

正直、そこまでの反響は予想していなかったんですけど、それを見て営業の火がまたついた、というところです。しかも、SI・ERPの営業だけじゃなくて、コピー機や電話機の営業、たのめーるの営業からも「なんだあれは?」というように関心を持ってくれた。ちょうど、昨年の11〜12月に勉強会や全国行脚が始まって、年明け2月にソリューションフェアがあって、非常に良いタイミングが重なった。結果として、社内で一気に名前が売れたというのは大きかったと感じています。

その話題性もあって、統合報告書にも掲載してみてはどうかという話にもつながりました。怒涛の認知活動と書いていますが、実はこれ、だいたい半年くらいの間に起きた出来事でした。そこにお付き合いいただいたという意味でも、HQさんには本当に感謝しています。

三位一体のスピーディーな情報共有とフィードバック

大塚商会 橋本氏:
まず活動事例をつくり、それを私から現場にどんどん情報として落としていきました。「どこどこの拠点でこんな良い活動があった」「こういう事例で案件が受注できた」「デモンストレーションでこういう手応えがあった」など、良い話をひたすら共有していったイメージです。

それと合わせて、HQさん側でも新しい情報をフィードバックしてくれるスピード感がありました。
「こういうサービスを新たに展開し始めました」「メディアにこう紹介されました」という情報をアドホックに共有いただけたので、現場に展開する情報に困らなかったというのが正直なところです。

さらに、大塚商会は営業拠点の切磋琢磨で成り立っている会社なので、「どこどこの拠点でHQの商材で人数規模の大きい有力な案件が取れた」と共有すると、他拠点の競争意識に火がつきます。

「うちも負けてられない」ということで、活動と成功事例の情報共有をタイムリーに回していく三位一体(活動・情報・競争)のスピーディーなサイクルができたことで、営業がどんどん盛り上がっていったと感じています。

もう一つの側面でいうと、メディア掲載っていうところは結構大きかったです。HQさんからいろんなyoutubeやメディア、テレビで露出したという情報をたくさんいただきました。それが当社の何に繋がってるかっていうと、名前が売れたら営業的にも紹介しやすいっていう面も当然あるのですが、それ以上に社内のロビー活動も重要でした。大手のSaaS系製品であれば知名度も高く、取り扱ってすぐ社内浸透するケースもあるのですが、スタートアップの商材だとなかなか社内で浸透させるというのが難しかったりします。特に取り扱いのタイミングでは、どの程度売れるのか半分わからない中で取り扱う・社内承認を得るのは、結構大変だったりします。

その意味で、メディア掲載とか、いろんなところに紹介されたという情報をタイムリーにいただいたというのは結構大きかったなと思ってます。

また、HR領域の営業教育という観点でも、HQとの協業は非常に意味がありました。取り扱いが進む中で、HQ側のパートナーセールスメンバーも増員していただき、最初は稲垣さん1名、窪田さんがジョインしてという体制から、約1年で10名規模の体制に拡大していただきました。全国の拠点をしっかりカバーいただいたことが、当社にとっても非常に大きかったと感じています。

HR領域の営業教育とストーリー設計

大塚商会 橋本氏:
最初の話に戻るんですけど、私が当初から一番やりたかったのは、HR領域をしっかり語れる営業を育てることでした。

大塚商会は人事給与システムを持ってはいるものの、「人事給与システムだけいりませんか?」と言っても、なかなかフックにならない。だからこそ、HR領域をしっかり語れる営業を育てたかったのです。

とはいえ、1つ1つ教育コンテンツをつくって勉強させていくのは教育コストが非常に重い。そこで、HQさんのようなパートナーと一緒にストーリーをつくり、そのストーリーを拡販していくプロセスそのものを「学びの場」にしてしまうサイクルをつくりたかった。

この1年間、パートナーさんの多大なご協力によって、営業が人的資本経営の専門家になったわけではないものの、「HR戦略の部分にいろんな手立てがある」という「感覚」を理解させることはできたと思っています。

結果として、各拠点にインフルエンサー的なセールスが立ち上がってきました。「HR領域担当」のような、もはやHQの社員ではないかと思うくらい熱量を持って語れる営業が現れ、その姿を見て「自分だってできる」と他の営業も刺激を受ける。

この切磋琢磨のサイクルを、スピーディーに回せたことが、商材の売れ行き以上にこの1年間で得られた大きな成果だと感じています。

協業構想4つの視点

大塚商会 橋本氏:
「大塚商会で取り扱ってもらえませんか?」と言われた時に、その裏側として、当社から見ると大きく4つのポイントがあると思います。

  • 営業の関心ごとに寄り添ってもらえるか:
    └受注や報酬だけでなく、「見込み客を見つけられるか(会話のフックになるか)」が重要。
  • 実績貢献だけでなく、きちんと戦略に寄り添ってもらえるか:
    └売上だけでなく、最終的にERP(基幹システム)へどう繋げられるか。
  • メディア露出:
    └営業のしやすさに加え、社内ロビー活動(与信や将来性の説得材料)に効きます。
  • 「まるごと」のストーリー設計:
    └単体でなく、他商材と繋げて語れるか。

大塚商会 橋本氏:
営業の関心事といえば、やはり一番多いのは「受注」「評価ってどうなりますか?」という話です。これはもちろん基盤として非常に重要です。大塚商会はいわゆる“営業の会社”で、インセンティブで営業がモチベートされている会社なので、この部分は外せません。実際、HQさんもこのあたりはかなり細かく聞いてこられたかと思います。

ただ、大塚商会の営業視点でいうと、もう一つ大事なことがあります。それはシンプルに「語りやすいかどうか」「自分から話したくなるかどうか」です。

どういうことかというと、受注できれば評価がついて嬉しいというのはもちろんありますが、営業が本当に困っているのは「そもそも見込み案件を見つけられるかどうか」の部分です。皆さんも営業経験が長いと思いますが、営業活動して商談しても、箸にも棒にもかからない、全く興味なさそうとなるとかなりつらいですよね。

そう考えると、数字のもっと手前の段階、「商談の場でお客様にワクワクしてもらえるか」「会話が盛り上がるか」ここが非常に重要になってきます。さっきの「システムの前に人が欲しいんだよ」という話がまさにそれで、そこに対して返せる“道具”を持てるかどうかが本当に大事だと思っています。

そういう意味でいうと、大塚商会の営業は「このシステムどうですか?」「このITサービスどうですか?」と言い続けてきたんですけど、「福利厚生、どう考えてますか?」と聞けるようになった。話を聞いてもらえやすいトークを持てた、という事自体が営業からすれば武器になりました。

次に、「戦略に寄り添ってもらえるか」という話です。
よくあるのは「当社のサービスが売れることでこれだけ実績・売上が立ちますよ」という提案です。これももちろん大事です、当社も売上は上げたいので。

ただ同時に、「当社(当部門)はERPを売りたい」という大前提があります。
社内評価の観点からいうと、たとえばHQさんの商材を売るよりも、自社の「SMILE」や「eValue」といったDX統合パッケージを売ったほうが営業評価は高くなります。そういう意味では、「どれくらい売れたらどれくらい利益がもらえるか」「キックバックがどうか」という話も勿論重要なのですが、その先の「どうERPパッケージにつなげていくか」という設計を一緒に考えてくれるかが、非常に重要になってきます。この点をHQさんはすごく考えてくれていたなと感じています。

3つ目が、メディア露出です。
これは先ほども少し触れましたが、営業が現場でアタックするときの“引きの強さ”という意味で非常に有効です。「あ、このサービスどこかで見たことある」と思ってもらえるだけで、会話の入り方が変わります。

もう1つはやはりメディア露出には社内のロビー活動に使いやすいという側面もあります。
大塚商会は母体が大きい会社なので、新しい商材を取扱い、浸透させていくには、社内の多くの関係者を説得する必要があります。特にスタートアップの商材の場合は、財務体質などもチェックが入る為、どうしてもハードルが高くなります。

スタートアップの財務体質が、大企業と同じように潤沢であることはまずありませんし、取扱い基準と照らし合わせてみてもどうしても評価は厳しくなりがちです。その中で、社内を説得する材料として欲しいのが、メディア露出や資金調達の情報です。

「こういったメディアに取り上げられています」「こういう形で資金調達の見込みがあります」といった材料をぶつけることで、社内を説得していくしかない。この“ロビー活動”の観点においても、メディア露出は非常に大切だと痛感しました

4つ目が、ストーリー設計です。
もしHQさんが「HQのストーリー」だけを語っていたら、おそらく大塚商会の中ではそこまで響いていなかったのではないかと感じています。

なぜなら、大塚商会には先ほどお話した通り、2400社のパートナーと数百万点の取扱い商品があるからです。ひとつの商材だけを見ているわけにはいきませんし、営業が語れる商材の数にも限界があります。だからこそ、「さまざまな商材をつないで話せるストーリー」をつくってくれるかどうかが重要です。
勿論最終的にはERPに落としたい、というのが当部門の本音です。

これは私がERPの部門にいるからでもありますが、もしコピー機の部門であれば「最後はコピー機に落としたい」と言うでしょうし、保険会社であれば「最後は保険に落としたい」となると思います。重要なのは、「各社・各部門が最終的にどこに落としたいのか」をしっかり理解したうえで、そのストーリーを先読みして設計してくれるかどうか、だと思っています。

大塚商会 橋本氏:
こういったことを踏まえて、この1年間は中小企業の「人材確保」という課題・背景をきちんと語れるようにし、垣根を超えたパートナーシップをつくり、IT整備だけでなく、その先の戦略の部分までしっかり掴んでいく。

そうすることで、中小企業の変革や成長を支援していく、というストーリーを作ってきました。

先ほどもお話ししたように、「語れるストーリーをつくる」という意味では、こういった協創型のストーリーを意識しています。我々としては、真ん中に「SMILEの人事給与システム」を置きつつ、たとえば「ビズリーチで採用して、SmartHRで労務を効率化して、タレントマネジメントをして、カフェテリアHQで定着を促す」。

さらには社内の福利厚生に力を入れていることが採用面でも効いてきます。この循環を営業に教育の一貫としてインストールし、マインドセットしていくことで、営業自身が自然と語っていくそんな絵を描きながら、この1年間取り組んできました。

我々としては、たまたま今はHR領域でこのストーリーをつくってきましたが、中小企業の課題は他にも山ほどあります。今後の展望として、中小企業のそれぞれの課題領域に同じようなストーリーセットをつくっていきたいと考えています。

真ん中にYouTubeの挿絵を置いていますが、Youtubeの場を通じて、顧客に登壇してもらったり、パートナーの皆さんに登壇してもらったり、社内でその領域に強いメンバーにも語ってもらったりしながら、ステークホルダーをどんどんつないでいく。そうすることで、様々なストーリーを繋いで、各課題領域の解決のヒントを一緒に見出していく、そんな取り組みに今後も繋げていきたいと思っています。

今日は、その一例としてHR領域の話を共有しました。
皆さんもそれぞれ、いろんな“武器”をお持ちだと思いますので、もし賛同いただけるようであれば、今後いろんなストーリーの中で、さまざまな課題解決をご一緒できればと考えています。

葛西: ありがとうございます。

ここまでのお話を聞いていて、いろんなヒントが詰まっていたなと私は思いました。
まず、大塚商会さんが何をやりたいのか、その戦略の把握から始まり、本来売りたいものに対して、どうストーリーを設計して売れるところまでつなげていくのかが非常に大切であると改めて実感しました。

そしてロビー活動の話もありましたが、HQさんの“外部発信の活用のうまさ”も際立ちましたね。プレスリリースをかなり活発に出されていて、それを社内の認知向上につなげる活動を、私の想像以上に非常にこまめに実施されていたんだろうなと思います。今、橋本さんのお話を聞いていてそれを強く感じました。

大塚商会 橋本氏:毎週のように送られてきました(笑)

葛西: だそうです。皆さん、毎週のように送ってくださいね(笑)

Q&A

葛西: ここからですね、皆様の質問を元にパネルディスカッションに移れればと思ってます。
たくさん来てるので全てに回答するのは難しいとは思いますが、いくつかピックアップしてお答えさせていただきます。

Q.1 大塚商会さんの他にもたくさんの複合機メーカーがある中で、なぜ大塚商会と組んだのか

HQ 稲垣氏:
同業他社様ともお話ししましたが、一番は外部のSaaSを取り扱う営業力を持っていらっしゃったこと、そして最も興味を持ってくださったことです。

少し答えにくいのですが、実はあのタイミングで全ての同業他社さんとはお話しています。一番大きかったのは、「戦略上の相性が良くて、一番興味を持ってくださった」という部分ですね。

葛西:
ちなみに橋本さん視点で、数あるSaaSの中でHQ様のどこを魅力と感じて販売促進しようと考えてたんでしょうか。

大塚商会 橋本氏:
さっきお話ししたところと重なりますが、福利厚生の領域自体がすごく新しかった、というのがあります。これまで、恐らくうち以外の会社もあまり積極的に扱ってこなかった分、話しやすかったという側面はあります。営業が語りやすいかどうか、が一番でした。

Q2. 大塚商会様が「取次ぎ紹介」で販売しているイメージがありません。何をメリットとして紹介してるのでしょうか

大塚商会 橋本氏:
そうですね、数は多くないですね。ほとんどが再販で商材を扱っているので、取次ぎ紹介の商材そのものはとても少ないです。

ではなぜこの形にしているかというと、さっきのロビー活動の話にもつながるんですが、完全に“自社の取り扱い”にしようとすると、社内で超えなきゃいけないハードルが本当に多いというのが背景です。

ですので、まずは取次ぎ紹介で試して、「うちのマーケットに刺さるのか」「うちの営業に刺さるのか」を見たかったというところはあります。今は営業側からは「もう自社の取扱い商材として正式に取り扱ってほしい」という声も多く今後はその方向で検討していく可能性はあります。

もう1つは、我々は“ITの会社”であって、“福利厚生の会社”ではないという点です。そういう意味では、完全に畑が違う領域なので、私としても結構チャレンジングでした。だから一旦紹介取次ぎでスタートしようという判断になったというところですね。

葛西:
ありがとうございます。これ、お答えできればで結構なんですが、大塚商会さんが「取次ぎ紹介」で扱う商材の条件みたいなものは何かあるんでしょうか?

大塚商会 橋本氏:
正直、今までは当社自体が“紹介取次ぎビジネス”をそれほど積極視してきていません。
数字として売り上げを上げたいという想いもありますし、当社営業がしっかりフロントに出る事で当社としての価値や信頼獲得を大事にする、という想いもあります。

ただし、新しい領域へのチャレンジや変革という側面で、小さくスピーディに仮説検証する、という場でもあり、現状明確な条件や基準はなく今後どのようにしていくかは模索しながら進めていくつもりです。一点、さっき言った通り「ITから遠すぎないか」というところが一つのバー(基準)にはなっていると思います。

Q. 現場の営業に対するインセンティブ設計などで工夫された点があれば知りたいです

大塚商会 橋本氏:
営業の評価は、工夫はしています。紹介料という形でいただくキックバックも、営業の“実績(数字)”にしっかり組み込まれるように、スキームを作っています。「誰が動いたのか」を個人単位で特定し、その営業本人の実績に入るようにしなければやはり営業は駆動されませんね。

葛西:
キックバックが小さいなら、SaaSメーカー側も何か組み合わせ提案で単価を少し上げるとか、そういう工夫があると現場の営業の皆さんはもっと喜びそうですよね。

大塚商会 橋本氏:
そうなんです。だから最終的には“SMILEにつなげる”という話になって、できれば一緒に売りたい、というのが営業としては本音なんですよね。

Q3. HQのパートナーセールスが持っているKPIは何ですか?

HQ 稲垣氏:
基本的には「獲得商談数(月間)」です。また従業員規模によってポイントが変わり、規模が大きいとポイントが高くなるイメージです。人によってはセールス機能も持っていて、その場合は営業KPIも併せ持つ形になっています。

組織立ち上げ事から修正をしており、今後も状況に応じて変えていくことを考えています。

Q4. HQのパートナーセールスの役割は、パートナー先の商談創出までか、それともクロージングまで担当するのか?

HQ 稲垣氏:
もともとは、クロージングまで含めて全てを担う組織でした。現在は、段階的に「セールス機能」と「パートナーとしての商談創出機能」を分離しているところです。

そのため、メンバーによって役割が異なります。完全に商談創出のみを見るメンバーもいれば、3割程度は営業機能も持ち、その分の営業予算も持っているメンバーもいます。窪田さんも直近までは両方を担っていました。

葛西: ちなみに窪田さんは、今はどちらの役割ですか?

HQ 窪田氏:今は「商談創出だけ」に専念しています。この形になったのは今月からです。それまではずっと、営業にかなり軸足を置きながら商談創出も行う、という形でした。

葛西:ということは、全国勉強会ツアーの時期は、営業活動も含めて「まるっと」担当されていた、ということですね。

HQ 窪田氏:そうですね。勉強会から商談化、その後のクロージングまで、一気通貫で担当していました。

Q5. 勉強会を重ねる中で『この人は売ってくれそうだ』という人をどのように見つけていったのか?

HQ 窪田氏:
事前に「この人が売ってくれるだろう」と決めていたわけではありません。勉強会や商談同行を通じて、コミュニケーション量が自然と多くなっていく方が出てきます。

勉強会の場でたくさん話しかけてくださる方、こちらの説明にしっかり頷きながら聞いてくださる方、その後も質問や相談を頻繁にしてくださる方。そういう方々とは自然とコミュニケーションが深くなり、「HQに興味を持ってくれているな」と感覚的に分かってきます。

そうした方と一緒に商談に行くと、あるタイミングから、私がほとんど話さなくても、その方が前に立って説明してくださるようになります。結果として、「この拠点のHQ案件はこの人とこの人に相談すればよい」というのが見えてきます。

大塚商会 橋本氏:
そういう「この人がすごく入り込んでくれている」という情報を、窪田さんは逐一私に共有してくれます。「○○拠点の○○さんがかなり熱量高くやってくれています」といった形です。

私がその情報を全体に展開すると、その人が社内で少し神格化されるという現象が起きます。「HQといえば○○拠点の○○さん」というようなイメージですね。そうすると、その拠点周辺でまたムーブメントが起きてくる、という循環が生まれました。

HQ 窪田氏:
私としては、単に「報告していた」だけなのですが(笑)、結果的にそうした効果につながりました。実際には、橋本さんからのメールに私も常にCCで入れていただき、情報がどんどん回っていく状態になっていました。

Q6. コト売り(ストーリーで売る営業)に対して、『面倒くさい』と感じる営業はいましたか?

大塚商会 橋本氏:
これはありますね(笑)。今までワンショットで売ってナンボという営業マインドだった人からすると、違和感は当然ありますし、そんなこと語れないよ・・と今でも出ます。

それを地道に変えてきたのが、やはり“教育”ですね。HQさんだけでなく、他社さんにもいろいろ協力いただきながら、営業を教育するためのアンバサダー研修のようなものを一緒に企画して、ずっとやってきましたその積み重ねで、少しずつ営業のマインドセットが変わってきた、という感覚があります。

最初は、営業の中でも“賛同する人”と“しない人”がはっきり分かれていました。でも、さっきのような全社的なムーブメントが起こる中で、だんだんと“ほだされていく”ように共感者が増えてきた、そんな印象です。

葛西:なるほど。そうすると、営業研修のような領域まで、かなり深く関わっているSaaSベンダーさんも多いんですね。

大塚商会 橋本氏:
そうですね。各社に“その領域の専門教育”をしてもらい、そこからSaaS商材につなげ、最終的にSMILEにつながるようなストーリーで研修を組んでもらっている形式です。

これは我々ERPパッケージの部門だけでやっている取り組みですが、だいたい500人くらいの営業を対象に、少しずつ実行しています。そして、こういった枠組みがあったからこそ、HQさんが入るというのもストーリーの“ピース”として非常にフィットした、という感覚があります。

Q7. 新しいサービスを「積極的に販売しよう!」となる拠点・エリアの特徴はありますか?

HQ 窪田氏:
最初に各拠点長の方々へご挨拶に伺ったとき、それぞれの拠点長がどういう意向を持っているのか、HQというサービスをどう捉えているのか、今年の数字を達成するためにHQのプロダクトをどう活用しようとしているのか…そういったところをお話しする中で、すごく楽しく話してくれるところと、まあそうでもないところと、割とくっきり二分される印象がありました。

なので、同じだけ通って、同じだけ勉強会をやっても、案件が一気に進む拠点もあれば、全然紹介が出ないところもやっぱり出てきます。

そして、拠点長がすごく乗り気でも、現場の営業があまり活発にならないケースもあります。拠点によって色が全然違うというのは今でも日々感じています。

葛西:
そうですよね。拠点長が乗り気でも現場が動かない、逆に現場が乗り気でも上があまり前向きじゃない、これはパートナーセールスあるあるですよね。

大塚商会 橋本氏:
ここもですね、告げ口ではないんですが、「〇〇拠点がいまいち盛り上がっていません、どうすれば・・」みたいな話が窪田さんから私のところに来るんですよ。いや、私にどうしろと…という気持ちにもなるんですが(笑)、結局は拠点長がどれだけ動いてくれるか、どれだけ気持ちが乗るかがすごく大事だなと思います。

ここは泥臭いんですけど、やっぱり全国を回ってもらうしかない。それぞれの空気感が本当に違うんですよ。同じ会社なのに、風土が違うんじゃないかと思うくらい違う。だから、単純にメールを配って情報共有しただけでは動かなくて、商材も山ほどある中で、営業の脳内にどれだけ刻むかが重要になってくる。

「営業が今日話したい話題」のトップ5くらいに入れてもらえないと、現場で話題にすら上がらない。なので、そこをどう“刷り込む”かが本当に大事なんですよね。

葛西:
窪田さんに質問なんですが、拠点長が最初乗り気じゃなかったのに途中で乗ってくるようになった、そんな事例はあったんでしょうか?第一想起されるまでにどう動いたのか、もしあれば教えてください。

HQ 窪田氏:
正直、乗り気じゃなかったところが劇的に乗ってきたというのはあまりない気がします。
それよりも、我々は常にリソースが足りなくて、「やれること」がたくさんある中で、今まで接点を持てていなかった拠点や忙しくて回れてなかった拠点へ改めてHQのサービスを知っていただけるようなアクションをとる。行動量を増やした分だけ盛り上がりが出てくるように感じています。

HQ 稲垣氏:
すこしだけ補足すると、協業開始当初はとにかく認知をしていただくために、また実際に現状把握するために、とにかく全拠点に極力現地で対面で行っていたのですが、現在はかなりメリハリをつけてます。

興味をお持ちいただけないところに無理やりアプローチしてもご迷惑がかかりますし、HQからしても投資対効果が合わないので、一旦アプローチを止めるという判断もしています。

葛西:
例えば、冒頭の話だと、勉強会で質問が多かった拠点を重点的に攻めるなど、おそらくそういう選び方をされてるんですよね。

HQ 窪田氏:
そうですね。大塚商会さんはリアル対面をものすごく重視します。オンラインで勉強会を100回やるより、対面で1回話したほうが強い。同行営業に1回行く、リアル勉強会を1回やって名刺交換する…このインパクトは本当に大きいなと感じていました。

葛西:
なるほど。やはりオフラインのコミュニケーションは強いですね。

大塚商会 橋本氏:
大塚商会は“売る力”が強い営業が多いので、同行して目の前で話してもらうと、それを“完コピ”したがる営業が必ず出てきます。これが一番インストールされる瞬間なんですよね。

とはいえ、これも泥臭いやり方ではあるんですが、「響く人」と「響かない人」がどうしても出てきます。そして響いた人を“神輿に乗せる”ことで、拠点全体に波及していくんです。

盛り上がってなかった拠点も、1年が経過して少しずつ動き始めている拠点もあります。それは、盛り上がっている拠点があって、そこに“神輿に乗った営業”がいるからこそなんですよね。「うちもやらないとやばいよな」という空気が、じわじわと浸透していく。

葛西:
まずファーストペンギンを見つけて育てて、横展開して、今はさらにその先の横展開に入ってる、そんな感じですね。

大塚商会 橋本氏:
そうですね。しかも「絶対ここがハマる」と思っていた拠点がハマらず、「え、ここが?」という拠点がハマったり、本当に意外なことが多い。これはリアルなコミュニケーションの中で見極めないと分からない部分ですね。

Q8. 拠点を活性化させるうえで、『これは効いた』という施策があれば教えてほしい

葛西:
最後に窪田さん、各拠点の活性化のために勉強会や全国行脚、メールでの積極的な情報展開など、いろいろなお話がありましたが、「これは特に有効だった」という施策がもしあれば、是非伺いたいです。

HQ 窪田氏:
そうですね。目先の商談創出という意味では、架電の勉強会をやって、そのまま全員で同じ部屋でアポ取りの架電をするという施策はかなり効果がありました。勉強会 → そのままアポ取りという流れですね。

それから、営業の方々に「今週1日同行させてください!」とお願いして、同行営業させていただくこともあります。当然月にあと何件の商談が作れるのかと毎月勝負なので、とにかく過去に接点のあった営業の方とコミュニケーションをたくさんとり、商談を作っていただけるようお願いしたりもしてます。

葛西:そうやって“助けてください”と言われて動いてくれる営業が出てくるって、すごいことですよね。

大塚商会 橋本氏:
ただ、これは“関係性ができているからこそ”なんですよね。関係性ができていなければ、ただの“面倒なお願い”になってしまう。営業側から「1日張り付いていいよ」と言ってもらえるのは、関係性がきちんと作れている証拠だと思います。

葛西:そこが素晴らしいですよね。
皆さん、たくさん質問をいただきましたが、時間の関係でここまでとさせていただきます。本日はありがとうございました。

最後に

今回のパートナーセールス研究会セミナーには、約60名の方々にご参加いただきました!

当日は、HQ様と大塚商会様の二社が、この1年でどのように関係を深め、組織内に浸透させ、協業を成果につなげていったのかを具体的に共有していただきました。

両社のお話を通じて感じたのは、協業を成功させるためには「プロダクトの良さ」だけではなく、「パートナー企業が本当に実現したいことに、自社がどう貢献できるか」という視点を持ち続けることの重要性でした。また、営業の動き方や社内の広げ方までパートナーと一緒に考え、地道な働きかけを積み重ねていくことが、結果として強い協力関係をつくっていくという点も印象的でした。

パートナーセールス研究会では、今回のように実務で使えるヒントを持ち帰っていただける場を今後も作ってまいります。セミナーやテーマごとの企画も続けていきますので、ぜひ引き続きご参加いただければ幸いです!

登壇者の皆様、ご参加いただいた皆様、改めましてありがとうございました!

パートナーセールスの伴走支援します!

大手SaaSでパートナーセールスに従事し、パートナーセールスをハンズオンでゼロから立ち上げました。

その過程で、300社以上が参加するパートナーセールス研究会を立ち上げ、多くの企業と成功事例を共有してきました。

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