イベントレポート

【セミナーレポート】パートナーサミット2025セッション②トップパートナー3社が語る「選ばれる企業」「続く関係」〜理想の共創とは?〜

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パートナーセールス研究会 発起人の葛西(@kasai_201406)です。

今週は、9月4日(木)に開催させていただいたパートナーサミット2025~アライアンスで拓くこれからの事業の勝ち方~から、2つめのセッションである “トップパートナー3社が語る「選ばれる企業」「続く関係」〜理想の共創とは?〜” のセミナーレポートを書かせていただきます。

トップパートナー3社が語る「選ばれる企業」「続く関係」〜理想の共創とは?〜

会社紹介とパートナーセールスの状況

葛西:
2つ目のセッションでは、パートナー側の日本を代表する企業3社にご登壇いただきたいと思います。まずは会社の紹介からお願いします。

ネオキャリア 中島氏:
皆さんこんばんは。ネオキャリアの中島と申します。

  • 会社概要(ネオキャリア)
    https://www.neo-career.co.jp/
    └従業員数:約3,400人強/拠点数:40/売上:524億円
    └売上推移:2000〜2009年は10〜20億円前後 → 様々な事業を展開し、500億円規模に成長
    └2021年 SaaSプロダクト「jinjer」を分社化。
  • 事業内容
    └求人メディア事業
    └新卒・中途・ミドルの人材紹介事業
    └アウトソーシング事業
    └その他:派遣事業、施設、介護、エンジニアなど6サービスを展開
  • パートナーセールスの状況
    └パートナー企業(二次代理店):約200社
    └新卒メディア・中途メディア・アルバイトメディア・アグリケーション領域など幅広い商品を展開

本日はパートナーセールス部門の部長や、採用代行・営業代行の担当者も来ておりますので、ぜひお気軽にお声がけください。本日はどうぞよろしくお願いいたします。

葛西:
中島さん、ありがとうございます。では続いて、大塚商会の橋本さん、お願いします。

大塚商会 橋本氏:
皆さんこんばんは。大塚商会の橋本と申します。

  • 会社概要(大塚商会)
    https://www.otsuka-shokai.co.jp/
    └パートナー数(取り扱っている商材数):約2,400社と取引
    └年間29.5万社に対し、約320万点の商材を販売
    └ミッション:「中小企業の皆様を元気に」
    └特徴:ITのプラットフォーマーとして、今も人海戦術で行っている珍しいビジネスモデル
  • 事業内容
    └担当商材:中堅・中小企業向けERPパッケージ「Smile」とそれに付随する情報系システム
    →最近SFAのモジュールも追加
    └「Smile」を軸に、SaaSサービスと連携して提案
  • パートナーセールスの状況
    └2,400社のパートナー様と協業し、中堅・中小企業へ商品・サービスを展開
    └ERP「Smile」を中心にパートナーサービスを組み合わせた共創提案
    └YouTubeチャンネルを新設し、情報発信・営業支援を強化

最近、YouTubeチャンネルを開設しました。まだ2ヶ月ほどで、広告もほとんど出していないのでチャンネルパワーはありませんが、ここにはさまざまな狙いがあります。中小企業のお客様に情報をお届けしたいという目的はもちろん、2,400社のパートナー様との関係性を活かし、皆様の知見を中堅企業に落とし込み、最終的にはパートナー様のコンバージョンにつなげたいと考えています。

それ以外にも目的があります。まず、弊社の営業に皆様の知見を授けたいということ。もう一つは、パートナーセールスの皆様に「大塚商会ってこんな会社なんだ」と自己開示することで、コラボレーションの可能性を感じていただきたいということです。チャンネル登録のためだけではありません。ぜひご覧いただければ、ご参考にしていただけると思います。よろしくお願いします。

葛西:
ありがとうございます。皆さん、ぜひチャンネル登録をお願いします。では続いて、プラリタウンの並木さん、お願いします。

プラリタウン 並木氏:
こんばんは。プラリタウンの並木と申します。よろしくお願いします。プラリタウンはご存知ない方も多いかと思いますが、三井住友フィナンシャルグループの100%子会社です。2020年5月に立ち上げ、私はビジネスモデルの企画から現在まで携わっています。今年で6年目になります。

  • 会社概要(プラリタウン)
    https://portal.plaritown.co.jp
    └三井住友フィナンシャルグループの100%子会社
    └設立:2020年5月(現在6年目)
    └ITとリアルを組み合わせた事業を推進
  • 事業内容
    三井住友銀行の法人営業部を基盤に展開
    └日々、企業の社長や経理担当と接点を持ち、「お金だけでは解決できないニーズ」を収集
    └特にデジタル化のニーズが多く、銀行営業担当者から顧客を紹介
    └週あたり70〜100件の紹介を受け、プラリタウンの営業メンバーがヒアリング&パートナーソリューションを提案
    └お客様との関係を一度きりにせず、継続的に活用(顧客データベース化、メディア運営)
    └約2万社に対し、デジタルマーケティングを通じてナーチャリングを実施
  • パートナーセールスの状況
    パートナー企業:約60社
    取り扱いサービス数:約120〜130件
    └特に強い領域:経営・財務領域人事・HR領域→ 全体の約8割がこの領域に集約
    └社長との直接接点が多いため、営業トップライン向上の関心も高い

私たちが企画運営している三井住友フィナンシャルグループのイベントもご紹介させてください。2021年からオンラインとオフラインの両方で開催しており、合計で5,000人規模のイベントとなりました。著名な方を招き、パートナー様にも登壇やブース出展の機会を設けています。銀行の営業担当者がチラシを配ることもあり、デジタルマーケティングだけではリーチしにくいお客様にも参加いただいています。

来年2月にもオンライン・オフラインの両方で開催を計画しています。共催プログラムもご用意していますので、三井住友フィナンシャルグループのお客様がどのような方々か知りたいという企業様がいらっしゃれば、ぜひお声がけください。本日はどうぞよろしくお願いいたします。

パネルディスカッション

葛西:
さてここから本題のパネルディスカッションへ入っていきますが、突然ですが事前の台本にない質問をしたいと思います。言いづらいかもしれないですが、今、3社でそれぞれ一番売れている商材は何ですか?

プラリタウン 並木氏:
私のところは先ほど申し上げた通り、経理財務やHR領域が多いです。最近は電子帳簿保存法の波もあり、経理領域が一番多いですね。最近特に増えているのはHR領域で、福利厚生サービスや採用代行など、お客様の反応が非常に良いです。

葛西:
ありがとうございます。お二人もよろしければお願いします。

大塚商会 橋本氏:
私たちも2,400社もあるので、どれが一番売れているか判断するのは難しいですが、全く同じです。HR領域は非常に盛り上がっていると感じています。あとはAI系のサービスもですね。ウェビナーを開催しても非常に盛り上がりますし、これら2つの領域は中小企業も含めて課題感が大きいと感じています。

ネオキャリア 中島氏:
当社で一番売れているのは、今はM社の求人サービスですね。前年対比で一番成長しています。

葛西:
そうなんですね。ありがとうございます。後ほど登壇者のブースもございますので、特にHRや経理、AI系サービスの皆様は特に伺ってみてください。では、本題に入っていきたいと思います。

協業相手のパートナーセールス、アライアンス担当に望むこと

皆様はこれまで協業やパートナーセールス、アライアンスの担当者の方々と数多く会ってこられたと思いますが、何かこのような支援をしてほしいというような望むことや、逆に「この支援は非常に良かった」というものがあれば、ぜひお聞かせください。

ネオキャリア様

ネオキャリア 中島氏:
パートナーに望むことは、上下の関係ではなく、お互いが実利を得られるような課題感のシェアが最も重要です。

  • パートナーに望むこと
    └上下関係ではなく、双方が実利を得られる課題感のシェアが重要
    └「うちの商材を売り込んでください」という一方的な提案ではなく、双方が描く未来像を共有できることが望ましい
    └お互いの課題感をシェアし、期待値を過剰にせず進めることが良い結果につながる
  • 具体的な取り組み例
    └勉強会への参加やセールス手法の共有など、具体的な取り組みを通して双方の理解を深める

私は月に何件も「一緒にやりませんか」とお声がけをいただきますが、「うちの商材を売り込んでください」と言われることが非常に多いです。そうではなく、当社の事業と依頼いただく企業様が、どういう未来を一緒に見据えられるのかをイメージできると良いですね。

お互いの課題感をシェアし、あまり期待値を見すぎないことが、双方にとって良い結果につながると思います。

また、一緒に勉強会に参加したり、お互いのセールス手法をシェアしたりすることが非常に多いです。そういった取り組みは、うまくいくケースが多いと感じます。

大塚商会様

大塚商会 橋本氏:
大塚商会の課題感やこれからどこに貢献したいかというところに寄り添ってくれる会社とは、ぜひ一緒に取り組んでいきたいと思っています。1つ目のトークセッションのBoxさんとサイボウズさんの話にもあったように、お互いが深く理解し合ってサービスを作り上げたのだと思います。お互いがどれだけ深く入り込めるかが非常に重要です。

例えば、大塚商会は営業の色が強い会社ですが、今やAIに聞けば7〜8割の回答が得られる世界観の中で、営業の役割とは何かという課題があります。SaaS企業の皆様も同じだと思いますが、顕在層はマーケティングで拾えるでしょう。大塚商会の営業の存在意義は、準顕在層をいかに引っ張ってこられるかにあると考えています。

その上で我々の課題は、準顕在層から顧客を拾えるように営業を教育することや、中小企業に対して課題から商材につなげるストーリーテリングができるようになることです。2,400社もの商材を扱う中で、これを引き上げるのは非常に難しい。だからこそ、営業の教育に深く関わってくれる会社は非常にありがたいです

  • パートナーに望むこと
    └大塚商会の課題感や貢献したい方向性に寄り添ってくれる会社と協業したい
    └お互いが深く理解し合ってサービスを作り上げることが重要
  • 営業・教育の課題
    └AIに聞けば7〜8割は回答が得られる世界観が目の前
    └顕在層はマーケティングで対応可能だが、営業の存在意義は準顕在層の引き上げにある
    └営業教育や、中小企業向けの課題から商材へつなげるストーリーテリングが必要
  • 具体的な取り組み例
    └SmartHR:HR領域の課題から商材につなげる営業教育制度を共にクリエイト
    └サイボウズ:同じくノーコード領域の教育を
    └インフォマート:同じく電子請求領域の営業教育に深く関わってもらい、営業活動をサポート

例えばですが、人事・労務領域のHR Tech企業やノーコードツールの企業、受発注や請求電子化の企業が、弊社の営業教育に深く関わってくださいました。人事・労務領域ではSmartHRさんが、HR領域の課題から商材につなげる教育制度を一緒にクリエイトしました。ノーコード領域ではサイボウズさんに、電子請求領域ではインフォマートさんにご協力をいただき、一緒に営業教育制度を作り上げました。

ですので、「何本売ったから、MDF(マーケティングデベロップメントファンド)がいくらです」という話も当然重要ですが、それ以上にそのような寄り添い方をしてくれた会社さんとは、我々も深く付き合いたいと思います。逆に我々も例えば「提携するメーカー企業さん側は何をしたいのか」を深く聞かせていただいて、お互いに対話を重ねていった上で「こんな座組みで進めませんか」とお互いに話し合えるような関係性が、パートナーセールスとして非常に重要だと感じています。

葛西:
なるほど、どこの会社も大塚商会さんの課題に対して、かなり深く入り込んで課題解決に奔走されてらっしゃるんですね!非常に詳細な話、ありがとうございます。

プラリタウン様

プラリタウン 並木氏:
今のお話に共感しました。銀行の営業も、商材の深い部分まではご提案できないのが現状です。皆様が期待されるのは、自分たちのマーケティングではリーチできないお客様を紹介してほしいという点だと思います。おっしゃる通り、顕在化されていないお客様の課題やニーズを掘り起こすのが私たちの役割です。その際、商材の説明よりも、もう少し上流の課題感から掘り下げていかなければなりません。

  • 銀行営業との現状
    └商材の深い部分まで営業担当者は理解して提案できない場合が多い
    └期待されるのは、自社のマーケティングではリーチできない顧客の紹介
  • パートナーに望むこと
    └単なる商材説明ではなく、課題感から掘り下げて提案できること
    └パートナー様のサービスと銀行営業の課題を組み合わせ、提案ストーリーを一緒に作ることが重要

アライアンス担当の方とお話する際も、ご自身のサービスが良いという話だけでなく、私たちのパートナー様の組み合わせまで考えて、「こういうストーリーで提案すれば、お客様の課題を掘り起こせるのではないか」「銀行の営業にどのように課題を伝えてもらいたいか」といったところまで一緒に協業の深さを出していただくと、非常にありがたいです。私も考えますが、一緒に考えてくれるような関係性ができると、ビジネスがうまく回っていくと感じています。

葛西:
ありがとうございます。具体的にお話できる範囲で、何かこの会社の支援が良かったという事例はありますか?

プラリタウン 並木氏:
最近のHR領域がまさにそうです。当初、労務管理のパートナー様だけだったため、お客様への提案は「労務管理はどうですか?」という話しかできませんでした。しかし、最近は採用やエンゲージメント向上、タレントマネジメントなど、ストーリーが一本につながることで、お客様の掘り起こしが非常に強くなりました。パートナー様もそれを理解し、ご自身の商材をより上流の課題から話してくださるようになったケースもあり、うまく回り始めた感覚があります。

  • 具体的な取り組み例
    └当初は労務管理の領域が限定された提案だった
    └採用・エンゲージメント向上・タレントマネジメントまでHR関連のストーリーを一本化
    └パートナー様が自社商材を上流課題から説明することで顧客掘り起こしが強化され、協業がスムーズに回り始めた

葛西:
ありがとうございます。

お話を聞いて、「事業課題」から踏み込んで入り込んでもらえるかどうかが、一つのキーワードなのかなと感じました。

今後、どのような企業や商材との共創を望んでいるのか

葛西:
では続いて、3社それぞれが今後どのような企業や商材との協業を望んでいるかお聞きします。

大塚商会様

大塚商会 橋本氏:
先ほど少し話しましたが、やはり中堅・中小企業がどんなことに悩んでいるのかというところから話を始めないと、その思いを汲み取ることはできません。そのストーリーを一緒に作ってくれるパートナーを望みます。並木さんもおっしゃっていましたが、ストーリー作りにどれだけ深く入り込んでもらえるかが重要です。

昨年、福利厚生サービスの会社と新たにパートナーを組みましたが、まだ1年も経っていないのに、非常に深い関係になりました。なぜそれができたかというと、最初に私が「弊社の営業に、人的資本経営を語れるようにしてほしい」という無茶なオーダーをしたのです。

この難しいオーダーに対し、その会社が取り組んでくれた結果、弊社の営業が「経営戦略から人材戦略を落とし込み、そこに関わるITを整備していく必要がある」という根本的な営業ストーリーを会話できるようになりました。採用、定着、労務効率化など、さまざまな領域にまたがるこの根本を、福利厚生サービスを売る上で、彼らが何度もレクチャーや勉強会を開いてくれたからです。

9ヶ月ほどで、弊社の営業はすっかり福利厚生と関連するITツールを一緒に語れるようになりました。これは単に「商材を売ってもらう」という関係ではなく、「弊社の営業をどう導いていきたいか」というところに寄り添ってくれたからです。一緒にストーリーテリングを考え、ストーリーを授けるだけでなく、営業をどう動かすかという泥臭い部分にまで焦点を当ててくれる会社との協業を望んでいます。

葛西:
なるほど。難しいオーダーをクリアし、非常に成果を出しているんですね。本日、会場にはHRテック系の担当者様もいらっしゃいますので、ぜひ交流会でお話されると面白いと思います。橋本さん、ありがとうございます。続いて並木さん、お願いいたします。

プラリタウン様

プラリタウン 並木氏:
お二方と繋がる部分がありますが、お客様の成功や成長に一緒に寄り添っていただけるパートナーの方がありがたいです。銀行は、お客様との関係がずっと続くことを前提としています。「相談したがダメだった」という単発的なリードの関係ではなく、中長期的にお客様に対して一緒に伴走いただきたいと思っています。

また、私たちはパートナー様のサービスを最後まで売り切ることは難しいです。商談やクロージングはパートナーの方にお願いしているケースが多いですが、私たちも一緒になってお客様の状況を確認したり、パートナー様が失注だと思われた案件を再度掘り起こしに行ったりする活動もしています。単純なリード提供会社としてではなく、「お客様の成功や成長を導く」というモチベーションを持ってくださるパートナーの方とご一緒したいです。

葛西:
ありがとうございます。私も元々地方銀行にいたのでよく分かりますが、取引期間が長い会社が非常に多いので、リードを渡すだけでは嫌われることが多いと思います。続いて中島さん、お願いいたします。

ネオキャリア様

ネオキャリア 中島氏:
ありがとうございます。まず当社は、メイン事業が求人広告ですので、人手不足の時代に共感してくださる企業様とは、もっと一緒に組んでいきたいと考えています。

先ほどお二人もおっしゃっていましたが、今後は採用支援だけでなく、その上の「経営支援」にもっと踏み込んでいきたいと思っています。この数年、銀行さんからご紹介いただき、各エリアで採用支援を推進するケースが増えています。

採用支援だけでなく、SaaS系の商材も一部扱っており、企業支援、経営支援というところに踏み込んでいきたいと考えています。中小企業やスタートアップの皆様の味方になりたいという思いを持っています。現在、パートナーセールス部門の責任者と、そうした未来を共に作っていこうと、各社さんにお声がけしている最中です。

登壇者間における質疑応答

➀銀行アライアンスにおける課題について

葛西:
ありがとうございます。せっかくの機会なので、お三方で質問しあいたいことはありますか?

大塚商会 橋本氏:
銀行さんとのアライアンスについてお聞きしたいです。

大塚商会も銀行さんとのアライアンスを進めていますが、行員さんがリードを持ってくる場合、彼らはITとは全く違う領域の考え方をしており、保険商品などさまざまな商材を扱おうとしているため、1件あたりの商談で話せる内容が限られてくるのではないでしょうか?

IT商材を提案するのは難易度が高いと感じるのですが、銀行や行員さんとの連携で苦労されている点、努力されている点はありますか?

プラリタウン 並木氏:
おっしゃる通り、プラリタウンの先に銀行の営業担当者がいて、営業担当者の先にお客様がいるというケースが多いです。当然、金融が本業でありメインなので、お客様との面談は金融の話が中心になります。

その中で、例えば「業務効率化ができる」という話が出てきたときに、その話とDXとの関係がどれだけ営業担当者の頭の中に残っているかが重要です。さらに、個別の商品名を伝えるだけでは、「ああ、もうそれはいい」と言われて終わってしまうケースが多いので、課題をブレイクダウンしてお客様と会話していくストーリーが頭の中に残っていると、具体的な話に繋がるケースが多い印象です

単発で「このサービスどうですか?」と聞いて、「ちょっと聞いてみるよ」と言った場合は、案件として具体化せずに終わるイメージがあります。したがって、営業の行員が考えるお客様の経営課題を解決するというところから、いかにストーリーを作り、頭の中に残せるかが鍵になります。

大塚商会 橋本氏:
金融商品とうまくストーリーを繋げたりもされるのですか?

プラリタウン 並木氏:
個人的には、それができればさらに有意義だと思っています。例えば、請求書の管理から決済、設備投資の話へ、とストーリー的に繋げることは可能です。

将来的には、これはプラリタウンだけでなく、銀行側を巻き込む必要がありますが、金融が持つDXされた機能を皆様のサービスと連携させることで、お客様に提供できるものが増えるのではないかと考えています。さらに一歩進むと、新しい金融の役割や可能性が広がると考えています。

大塚商会 橋本氏:
なるほど。今は金融機関の話でしたが、パートナーセールスという視点で見ても、営業のその先の先や、営業の先の顧客のことをどれだけ理解するかが重要だという点は共通していると感じます。

②アライアンスで成果を上げるために重要な事は?

ネオキャリア 中島氏:
皆様の事業領域は非常に幅広いですよね。経営のことも含めて、どんな商材が伸びるのか、どういう時に伸びるのかを知りたいです。大塚商会さんは長く幅広い商材を扱っていますし、プラリタウンさんは銀行とアライアンスを組んでいるので非常に広いです。

以前ファンドの人に「どんな会社が伸びますか?」と聞いたら、「ビジネスモデルや規模、専門性よりも、人だ」と言われた事があります。お二人も色々な商材を扱っている中で、協業したときに一番伸びる要因は何だと思いますか?やはり「人」なのでしょうか?ぜひ教えていただきたいです。

プラリタウン 並木氏:
私はパートナー様のアライアンス担当の方と話すケースが多いですが、その先にいる役員や組織内でさまざまな役割を担っている方々を、アライアンス担当の方が巻き込んでいけるリーダーシップを持っているか、迫力みたいなもの持っているかが重要なキーファクターとなっている気がしています

やはり「人」かもしれません。私たちと一緒にストーリーや体制を両社で作り上げていけるような関係になると、伸びていく気がします。その熱量がお客様にも伝わると思うので、情熱を持って取り組めるというところが大事だと思います。

葛西:
ありがとうございます。橋本さんはいかがですか?

大塚商会 橋本氏:
全く同じ意見です。これは企業の階層にもよると思いますが、我々が相手にしているのは中小企業が多いので、マーケティングだけでアプローチするのは難しいです。いわゆる「ラストワンマイル」が必要です。日本の中小企業は99.7%と言われるほど多いので、やはり泥臭く行くしかありません。

その意味で、並木さんがおっしゃったような「巻き込み力」や、「うちの会社を活用するなら」という視点で、営業が話しやすいストーリーや空気感を作ったり、当たり前のように話せるようなマインドセットにまで持っていけるパートナー様は非常に伸びます

これはマーケティング的な意味の市場の流行りとは少し違うかもしれません。どれだけ深く入り込めるか、ということです。先ほどご紹介した事例がまさにそうで、弊社の営業が動くかどうか半信半疑でしたが、一気に動き出したのには驚きました。

最後に

パートナーサミット2025にご参加いただいた皆様、誠にありがとうございました!
当日は多くの方々にご来場いただき、熱量の高い議論や交流が生まれたことを大変嬉しく思っております。

2つめのセッションでは、ネオキャリア、大塚商会、プラリタウンの3社がそれぞれの立場から、パートナーに求める姿勢や「事業課題」に踏み込むことの大切さ、そして「共に考え、共に成長していく関係性」の重要性を共有してくださいました。単なる商材提供にとどまらず、お互いの課題感をシェアしながら未来を描いていく姿勢こそが、パートナーシップの本質であると改めて実感しました。

パートナーセールス研究会は、今後も実務経験者同士が深く意見を交わし学び合える機会を拡充していきます。共同開催のセミナーやテーマ別のワークショップなど、多彩な企画も準備中ですので、ぜひ楽しみにお待ちください。

登壇者の皆様、ご協賛くださった皆様、ご参加いただいた皆様、改めましてありがとうございました!

パートナーセールスの伴走支援します!

大手SaaSでパートナーセールスに従事し、パートナーセールスをハンズオンでゼロから立ち上げました。

その過程で、300社以上が参加するパートナーセールス研究会を立ち上げ、多くの企業と成功事例を共有してきました。

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