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【未経験OK?】パートナーセールスに必要な経験と、未経験からのキャッチアップ術

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パートナーセールス研究会の葛西(@kasai_201406)です。

近年、SaaS企業を中心に「パートナーセールス」という職種が注目を集めています。代理店や販売パートナーを通じて売上拡大を担うこの役割では、営業力だけでなく、調整力や信頼構築スキルも問われます。

では、パートナーセールスになるには、直販での営業経験やカスタマーサクセス(CS)の経験が必須なのでしょうか?

本記事では、「パートナーセールスに必要な経験」について整理し、直販やCSの経験がない方でも活躍するための準備や考え方を具体的に解説します。

パートナーセールスには直販での営業経験やCS経験が必要なのか?

結論から言えば、直販での営業経験やカスタマーサクセス(CS)経験は、パートナーセールスになるに当たっては非常に有利です。

なぜなら、パートナー企業にとっては「その商材をどう売ればよいのか」というリアルな営業ノウハウは常に求められる情報であり、それを伝える立場にあるパートナーセールスには、営業現場や顧客対応の経験があるほうが圧倒的に説得力があるからです。

また、商材知識や提案ストーリー、よくある質問への回答などを「実体験ベースで伝えられる」点も大きな強みとなります。

とはいえ、実際の現場では直販営業やCSの経験がなくても、パートナーセールスに抜擢されるケースも決して少なくありません。人員リソースの都合や育成を見越してアサインされる場合など、背景はさまざまです。

では、直販での営業経験やカスタマーサクセス経験がない状態でパートナーセールスになった場合、どのように立ち上がればよいのでしょうか?

パートナーセールス未経験者がまずやるべきこと

未経験からパートナーセールスに配属された場合、まず最初の1〜3ヶ月で最優先すべきは、直販営業への同席です。
自社の営業が、どのように顧客にニーズを喚起し、どのような課題に対して、どのような言葉でソリューションを提示しているのか――
その“型”を徹底的にインプットする必要があります。

加えて、自社プロダクトのデモ操作機能理解も欠かせません。提案時の流れやデモの構成、説明すべきポイントを自分の言葉で語れるようになることが理想です。

このような営業同席・デモ練習を通じて、よくある質問や顧客の反応を把握し、パートナーに伝えるべきセールストークを「言語化」してストックしておくことが非常に重要です。
なぜなら、そのままテンプレート化してパートナーへ展開できるからです。

余裕があれば、デモロープレ営業ロープレを繰り返すことで、さらに理解が深まり、提案スキルも磨かれていきます。

また、実は直販の営業やCSの経験がないからこそ、パートナー企業の営業担当と“目線を揃えて”話せるという強みもあります。「売り方がわからない」「提案の自信がない」といった悩みに対して、同じ立場だったからこそ共感しながら支援できる──それが未経験者の強みでもあるのです。

私自身も前職でこれまで直販の営業として提案したことがなかったプロダクトのパートナーセールスになり、社内に全くパートナーセールスに関するノウハウがなかったところから、パートナービジネスの再立ち上げをスタートしました。

その際に最初に取り掛かったこととして、下記の立て直しの最初の3ヶ月間の記事に記載したことに加え、直販の営業への同行も最初の2ヶ月で積極的に行っておりました。

リソースが限られる場合の戦い方

一方で、実際のパートナーセールス部門は、少数精鋭で運営されており、学習や実践に時間を割きづらい状況も多く見られます。他業務との兼務で1人でやっている、もしくは兼務のマネージャー+1,2名のメンバーしかいないため手が回らない、といったケースも珍しくありません。

そんなときは、まず自分自身の「できること」を棚卸ししましょう。
得意なこと、すぐにできること、支援を受ければできることに分類し、「今すぐやるべきこと」と「他者に任せるべきこと」を明確に切り分けます。

そして、自分がやるべき領域に集中し、あとはマネージャーや直販チーム(FS・IS・CSなど)に任せる。この「選択と集中」のスタンスが、限られた時間・リソースの中で成果を出す鍵となります。

たとえば、自社商材の知識が浅くても、パートナー企業の営業担当者に直接会いに行き、名刺交換をして認知度を高めたり、外部セミナーや自社ウェビナーの案内を積極的に行ってパートナー側の営業担当の情報インプット機会をつくるといった活動は、誰でもすぐに取り組める貢献行動です。

「知識がないから何もできない」ではなく、「知識がなくてもできることは何か」を考え、積極的に動くことが、パートナーセールスとしての信頼を築く第一歩になるのです。

とはいえ、自分自身での「できること」の棚卸しができないケースもあるでしょう。その場合は、客観的な視点を取り入れて、部長やマネージャーなどから自分自身が「できること」を棚卸ししてもらいましょう。

まとめ

パートナーセールスという職種には、直販の営業やカスタマーサクセスの経験がある方が確かに有利です。実体験に基づいた提案や支援ができる点は、パートナー企業から見ても大きな信頼につながります。

しかし、未経験からでも十分に活躍できる道はあります。最初の1〜3ヶ月間に、直販営業への同席やデモ練習を通じて“売り方の型”をインストールすること。そして、顧客のよくある質問や反応を言語化し、パートナーに伝えられる情報として蓄積することが、実践的な第一歩となります。

また、リソースが限られている現場では、自分自身のスキルやリソースを整理し、「今すぐできること」に集中する戦略が重要です。営業知識が不十分でも、パートナーとの関係構築やセミナーの案内、認知度向上の活動など、「すぐに価値提供できる行動」は数多く存在します。

経験がないことは、決して弱みではありません。パートナー企業の“営業未経験感”に共感できる目線こそが、あなたの最大の武器になるかもしれません。

パートナーセールスとして成功するためには、「知識を埋める努力」と「今の自分でも動けること」の両輪を意識して、柔軟に、かつ前向きに取り組む姿勢が何よりも大切です。

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大手SaaSでパートナーセールスに従事し、パートナーセールスをハンズオンでゼロから立ち上げました。

その過程で、300社以上が参加するパートナーセールス研究会を立ち上げ、多くの企業と成功事例を共有してきました。

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