パートナーセールス研究会 発起人の葛西(@kasai_201406)です。
今週は、先週6/20(金)に開催させていただいた【第2回PSラジオ】のレポートを書かせていただきます。
PSラジオの企画背景
パートナーセールスの皆様に、ランチ時間帯に気軽にラジオ感覚でパートナーセールスのノウハウが聴ける機会を提供できればと考え、3月に「第1回PSラジオ(パートナーセールスラジオ)」という企画を開催させていただきました。
第2回目となる今回は、前回に引き続きパーソナリティをパートナーセールス研究会の葛西が、ゲストとしてGrow upの佐々木千穂さんに出演いただきました!
ゲスト

前回のアンケート結果も踏まえ、今回は「パートナーセールスで”ワークする人材”とは?~パートナーと自社両面から考える活躍のヒント~」というテーマで、パートナー側と自社(メーカー)側の両面から深掘りしていきます。
パートナーセールスで“ワークする人材”とは?
~パートナーと自社両面から考える活躍のヒント~

テーマ①パートナー企業のワークする営業マンの特徴

パートナー企業側で好意的に動いてくださる営業担当とは?
葛西:
まずは、パートナー企業の中でワークする=自社の商材などを積極的に販売してくれる営業担当者の特徴についてお話したいと思います。
自社商材を積極的に売ってくれる営業担当者にはどんな特徴がありますか?どう見つけて、どう育成すればいいんでしょうか?
佐々木氏:大きく2つの特徴があります。
- 勉強会などの場で積極的に関与してくれる方
└パートナー企業向けの勉強会などで、積極的に質問をしてくれる
└勉強会後に名刺交換をしてくれるなど、こちらに興味・関心を示してくれる - 接点を持った後も主体的に関わってくれる方
└勉強会や個別面談などでの接点後、頻繁に連絡をくれる
└「この企業はどうだろうか?」といった具体的な提案・質問をしてくれる
経験上、こうした方々は“ファーストペンギン”的な存在として、好意的に動いてくれる傾向があります。
葛西:
名刺交換をしてくれる、質問してくれる、連絡をくれる、これらは何かしら商材を売りたい、あるいは商材自体に関心があるというサインですよね。
定量的に見て、誰が一番回数が多いかなどを確認すれば、より解像度が上がりますね。
佐々木氏:
そうですね。このアクションを取るパターンは若手の方々が多い傾向にあります。
パートナーはやはり、なかなか自分で売りやすい商材がなかったり、自社以外の情報をどんどん取り入れて成長していこうという若手の方々が多いからです。そういった若手の方々を味方につけるのも良いと思います。
葛西:
若手の方だと、吸収力が高く、積極的に売ってくれることもよくありますよね。
前提、そのパートナー企業の特性や企業文化等によって変わりますが、佐々木さんの中で若手担当の方からアプローチするケースと、ベテランの方を抑えに行くケースでは、どちらの方が感覚的に多かったですか?
佐々木氏:
企業文化や商材の展開の仕方によって担当者の動き方は大きく変わってきますが、下記のような特徴があると感じています。
- 若手担当の方の特徴
└商材に前向きで、先に動いてくれるケースが多い
└各支店・部署の窓口を担っていることが多い
└チームを組んで目標や状況を共有すると、他部署や顧客を紹介してくれることがある - ベテラン担当の方の特徴
└重要なお客様を担当していることが多く、慎重に動く傾向がある
└大手企業では「失敗できない文化」があり、新しい商材の扱いに消極的
└それゆえ、商材やベンダーへの理解が不十分な状態では提案しない
└若手の成功事例を見て、「問題ない」と判断してから動くことが多い
そのため、たとえば銀行の場合などは、まずは若手行員さんと一緒に訪問や1対1での打ち合わせを設け、まず銀行自体を知り、文化を知ります。
そして、そこの支店や部署にいらっしゃる方々の人柄を若手の方々を中心に情報収集した上で、間違いない状態でベテラン層にアプローチします。
葛西:
確かに若手の方は素直な方が多く、可能な範囲で会社の内情などを教えてくださることもありますよね。
最初に少人数でも若手の方と良い関係を築いておくと、相手企業を理解する上でも非常に有益ですし、後々さまざまな情報が得られやすい環境になります。
佐々木氏:
そうですね。それに加えて各支店や部署の窓口を担っているのは、そういった若手の方々であることも多いです。
そのためそういった方々とチームを組み、彼らの目標達成の数値や状態をインプットした上で、「どうしたらベンダーである私たちが動けば良いか」をしっかりと擦り合わせて動いてあげると、「このベンダーは動きやすいかも」と感じて他の部署を紹介してくれたり、別の視点を紹介してくれたり、あるいはご自身のお客様を紹介してくれたり、提案してくれたりすることがあります。
パートナー企業側でよく動いてくださる営業担当を見つける方法は?
葛西:
続いてパートナー企業さん側の2つ目のテーマです。
先ほども「積極的に名刺交換をしてくれる人」など例がありましたが、他にもそういった見つけ方があればぜひ教えていただきたいです。
佐々木氏:先ほどの勉強会のシーンでお伝えすると、下記のように見つけています。
- 勉強会での観察
└➀参加者を4つのグループに分けて全体に目配りする
└②真剣にメモを取る人の席の場所と特徴を覚えておく
└③後で窓口担当に確認、個別にフォローアップ
「真剣にメモを取っているけど質問はしない」という方が多いため、その方の席の場所と特徴を覚えておき、後で窓口担当に「ここにいた方って、なんていう方ですか?どのような企業さんを担当されていますか?すごくメモを取っていたのですが、質問はできなかったようで、そのあたりをフォローしたいのですがよろしいでしょうか?」などと言って、個別にフォローアップしに行くケースもあります。
葛西:
オフラインの勉強会の場合だと、誰がどういう風に聞いているのか、あるいは寝ている人が誰なのかなども分かりますね。勉強会以外の軸だと何か他にあったりしますか?
佐々木氏:勉強会以外だと、主に下記のような広げ方をしていきます。
- 企業内の窓口へのヒアリング
└窓口担当や、部署や支店の窓口担当の方に「こういう商材をよくキャッチアップして動いてくださる方はどの部署にいますか?どなたですか?」と具体的に質問 - 定例会などの接点での情報収集
└定例会などで「誰がよく売っているか」を質問して探る - “類友”の発想で優秀な人の周囲をたどる
└成績の良い営業担当の周囲(先輩・同僚・上司)に注目し、名前を聞く
└こういう事がお助けできるので、もしよかったらご紹介いただけませんかと伝える
葛西:
確かに銀行などのような異動が多い業態の企業だと、優秀な人のコネクションを辿るのが一番見つけやすいですね。
佐々木氏:
やっぱり、いきなり「こんにちは」と行くよりも、同期や信頼できる方からの紹介の方が、納得感って全然違いますよね。パートナービジネスって、「誰から聞いたか」が本当に大きいなと。
葛西:
分かります。紹介だと相手の構えも全然違いますし、話がスムーズに入りますよね。
佐々木氏:
そうなんです。だからこそ、紹介してくれた方の信頼をお借りしてしっかり話す。
そのあとも、ちゃんと進捗や結果を報告して「こういうことになりました」「ありがとうございました」って伝える。これ、当たり前だけど、めちゃくちゃ大事だと思ってます。
葛西:
本当にそうですね。進捗共有やお礼をしないと、すぐに距離を置かれてしまうので、信頼をつなぐためには徹底すべき基本ですよね。
佐々木氏:
はい。結局、パートナービジネスは四方八方に目配りして、信頼関係を丁寧に広げていくことが重要なんだと思います。
葛西:
その通りですね。ちなみに、動いてくれる営業担当を見つける方法として、私は共催セミナーを開催する際もけっこうチェックしています。
パートナーさん側のマーケ部門がメルマガや広告を打ってくれると思いますが、それだけでは集客が足りないこともよくある話なので、営業担当にも声をかけるんですよね。「集客お願いします」って。
その後、共催セミナーへの誘致活動をしてくれているのがどの営業担当なのかというのはチェックしていますね。
佐々木氏:
分かります。展示会の時も同じです。共催や出展を一緒にやると、誰が積極的に動いてるか、かなり見てます。あとは、ベンダーやパートナーさんが単独で出展しているブースにも顔を出して、挨拶しながら誰が積極的に声かけしてるのか観察します。
人づての情報だけじゃなくて、ちゃんと現場に足を運んで、自分で見て判断するのがすごく重要です。
しかも、ひとつの情報だけを鵜呑みにするんじゃなくて、2〜3人からの話や、複数のファクトから照らし合わせて推測する。これが正確な判断につながると思っています。
パートナー企業側の営業担当の育成方法(アクティブ化するための方法)は?
葛西:
3つ目のテーマは、パートナー企業側の営業担当の育成方法ですね。
アクティブ化するためにどういうことをしていったら良いのか、というお話です。
パートナー企業ごとのカルチャーや特性もあるので「これが確実に当てはまる」というのはないと思いますが、「これは一番うまくいった施策だったな」という育成方法があれば教えていただけますか?
佐々木氏:
そうですね、私がやっていたのは外部の営業マネージャーのような役割になって、アポイントの取り方から商談の組み立て、フォローアップまで伴走支援を行うことです。
具体的には…
- パートナーが狙う企業を事前に徹底リサーチ
└役員情報や管轄、想定課題、商圏など
└「どういう切り口ならアポが取れるか」「ニーズがありそうか」まで仮説を立てる - アポイント取得のサポート
└実際のトーク例まで用意し、アポイント取得のストーリーを構築
└日時調整の優先度を明確に伝え、「どこでもいいので3週間以内に取ってほしい」と依頼 - アポイント取得前後の丁寧なフォロー
└「誰に・何を・どんな流れで話すか」をヒアリングし、内容の準備を支援
└訪問前には「困ったときのために電話しますね」と伝え、細やかなフォロー体制を取る
└担当者だけでなく、上司やマネージャー、窓口全体にも共有・エスカレーション
葛西:
1件のアポにそこまで準備するって、結構時間がかかりますよね?
佐々木氏:
実際には30分〜1時間くらいですね。社内の接触履歴も確認しながらパパッと調べて、すぐ電話する感じです。大手企業へのテレアポと似てます。
でも、「紹介してください」だけの電話はやりません。いわゆる“くれくれマン”って嫌われますから。
それより、ストーリーを描いてあげることが大事です。
葛西:
提案の流れまで作ってあげて、トークスクリプトやチラシも一緒に渡して、「行ってこい!」と。
佐々木氏:
そうです。ただ、それを全員にやるとさすがにパンクするので、「動いてくれるファーストペンギン」から優先してやっています。
葛西:
あとは、自社が攻めたい企業を持っているパートナー担当者に優先して支援する感じですよね。
佐々木氏:
はい。アプローチ先の優先度と掛け算して、ランキング的に上から順に支援するイメージです。
葛西:
ただ、その準備にどれだけ時間かけられるか、ってところがネックですよね。
でも今はChatGPTなども活用できるので、時短できますよね。
営業担当にも「こうやってAIで調べるといいよ」って教えてあげると、他商材の営業にも役立つし、相手の生産性も上がって、自社商材も結果的に売れやすくなる。
ノウハウの共有って、すごく大事ですよね。
佐々木氏:
本当にそう思います。ノウハウごと届ける。それが信頼にもつながりますから。
テーマ②パートナーセールスとして活躍する人材の特徴

葛西:
今度は逆に、自社のメーカー側のお話です。
パートナーセールスとしてワークする人はどういうタイプの人なのか、そもそもの育成の方法や秘訣などを中心に、後半ではお話できたらと考えております。
活躍する人材とはどんな人?人材育成のためにすべきことは?
葛西:
佐々木さんがこれまで見てきた中で、どんなタイプの人が活躍する、といった傾向はありますか?
少し分かりやすく説明いただくために、ハードスキル(例:〇〇の営業経験〇年など)と、ソフト面(例:素直なタイプの方など)に分けてご説明いただけますでしょうか。
佐々木氏:まずハードスキルとしては、下記のような経験がある方が良いと思います。
- 法人営業経験:
特に中途採用では、法人営業の経験がある方が望ましい。 - エンタープライズセールス経験:
パートナーセールスはマーケティングから営業、コンサルティングまで広範囲に
わたるため、エンタープライズセールス経験者との共通点が多く適応しやすい。
ソフトスキルとしては下記のような点を重視しています。
- 相手の機微を察する力:
もっとも重要なのはパートナー企業の担当者がどう考え、どう動くかを感じ取る能力
上記のソフトスキルを持つ人は、比較的パートナーさんとの間で摩擦を起こさずに仕事ができるタイプだと考えています。
ただし、そういった方々ばかりではないので、そうでない場合は、かなり具体的かつ丁寧な教育が必要になります。
葛西:
パートナーセールスは直販と違って、第三者であるパートナーに動いてもらうのが難しいですよね。
だからこそ、パートナーの小さな変化に気づく観察力や、どうすれば動いてくれるか考える共感力が特に重要になってきます。
セールスの「ペーシング」のようなスキルも役立つのかなと。
佐々木氏:
それは思いますね。
やはりベーススキルが備わっている方は、行動量や行動力を追加すると伸びますね。
葛西:
あと、最近よく言われるのが、エンタープライズセールスとパートナーセールスが似ているという点です。
パートナーセールス経験者は少ないので、エンタープライズセールスの経験者でも十分適応できますよね。採用面でもそこはポイントになると思います。
佐々木氏:
そうですね。
私自身、育成する中で感じるのは、最初から事業開発のような動きは難しいので、まずは具体的な絵を描いてあげて、お客様との対話のステップを踏ませるようにしています。
次に商談設計を任せ、最終的には事業企画までできるよう段階的に支援していきます。
小さな成功体験を積ませてあげるために、「ここではこう話せたから良かった」「この場面ではこういう風に話した方が、あるいはこういうアプローチをした方が、恐らくお客さんからの反応やパートナーからの反応は全然違うよ」といったように、かなり細かくフィードバックしています。
葛西:
かなり細かく育成するんですね。フルで関われなくても、そこまでできるものですか?
佐々木氏:
はい、重要な面談や商談には同席したり、オンラインでサポートしたりします。
商談設計や資料を見た時に、伝わりにくい部分があれば「ここは違うよね」と具体的にフィードバックします。
やはり「準備が8割」だと思っています。
葛西:
本当にそうですね。準備ができていない人は売れませんし、人も動いてくれません。
そこを徹底するのがファーストステップだと私も思います。
他には、パートナーセールスにどんなスキルが求められますか?
佐々木氏:
カスタマーサクセスの力も結構必要だと思います。
契約後にパートナーと信頼関係を築き、自社商材を使ってパートナーが売上を伸ばし続けられる体制を作れるか。
そしてそれを他の部署や支店に横展開できる仕組みを作れるか、といった、少しオペレーティブな側面も必要になります。
葛西:
確かに、カスタマーサクセスもエンドユーザーではなく相手がパートナーになるだけで、信頼関係を築いて成果を出してもらうという点で似ていますね。
カスタマーサクセスの経験者もパートナーセールスで活躍できる余地は大きいと感じます。
佐々木氏:
そうですね。
パートナーセールスは、自社の商材がパートナーとエンド顧客にどう貢献し、パートナーがどう利益を享受するかという「設計」が重要です。そのデザインと実行ができる目線が重要だと考えています。
葛西:
ありがとうございます。いったんここで質問に移らせていただきます。
Q&A
Q: 二人が今まで出会った中で、「半端ない行動力」を持つパートナーセールスの人はどんな行動をしていましたか?
佐々木氏:
私の上司の話ですが、特定の業界(パチンコホールやスーパーマーケットなど)の「重鎮」を人脈で探し当てて、個別商談でめちゃくちゃ仲良くなり、そこからトップアプローチできる営業先を次々と紹介してもらうんです。
その行動力は本当にすごかったです。
葛西:
私も似た経験があります。パートナー関連のイベントに常に顔を出す人がいましたね。
そういう人は誘われたら「二つ返事で即行く」のを徹底していました。
その圧倒的な「場数」が、人脈を広げ、次の縁につなげていたんだと思います。
佐々木氏:
行動力や場数は、自分を成長させる上でも、チームを伸ばす上でも非常に大切ですよね。
葛西:
まさにその通りです。自分で考えるのには限界があるので、今日参加されている方々のように、積極的に情報収集・情報交換していくのが良いですね。
私も色々な人と話す中で、今でも「こんなやり方があったのか」と学ぶことがやはり多いです。
Q: 最近、「学び」になった新しい取り組みはありましたか?
佐々木氏:
私が関わっている会社で、業界の有名人と組んで、すぐにオフラインのワークショップを立ち上げて集客するという取り組みが印象的でした。
すぐに案件化しなくても、ブランディングや場の提供という目的で継続的に行っていたのは面白い視点でしたね。
そのフットワークの軽さは本当にすごかったです。
葛西:
私が最近面白いと思ったのは、「エレベーター広告」と「インテントセールス」を掛け合わせたパートナーセールスのやり方です。
エレベーター広告でパートナーとエンド顧客の認知を取りつつ、そのビル内の企業のインテント(購買意欲を示す検索行動)を拾って、パートナーに「このリスト、エレベーター広告配信しているビルに入っている企業で、インテントが上がっていた先なので、是非当たってみてください」と依頼するんです。これは発想になかったので、すごいなと思いましたね。
そういった、まだ思いつかないような取り組みがたくさんあるので、やはりインプット量を増やすことの重要性を痛感します。
佐々木氏:
そうですね。あと、自分やメンバーの育成において、パートナービジネスの中で何が一番得意で、何が好きか、そして何が苦手かを言語化しておくことも重要です。
それがアプローチの軸になったり、育成の指針になったりします。客観的に能力を判断し、必要なら誰かに相談することも大切です。
葛西:
確かに、そういった定点観測はすごく重要ですね。
例えば、カスタマーサクセスから異動してきた人なら、お客様とのコミュニケーションは得意だけど、もう少し上のBizdev的な能力が不足している、といったケース。
そういったところをマッピングして、社内のメンバー全員が可視化できていると良いかもしれません。
Q: パートナーセールスの経験がない方を採用する場合、他の職種出身で活躍する可能性が高いのはどんな職種ですか?見極めや採用のコツも教えてください。
佐々木氏:
まず、法人営業経験は必須だと思います。
そして、私自身の経験からも、エンタープライズセールスの経験者は、パートナーセールスと業務範囲が広く似ているため、即戦力として活躍できる可能性が高いと感じます。
葛西:
営業経験はあった方がいいですね。
特にSaaS商材なら、無形商材の営業経験は最低限欲しいところです。
佐々木氏:
見極めのポイントとしては、パートナーセールスはリードタイムが長いので、長期的な目標に対してどうモチベーションを維持し、工夫して達成できたかを面接で深く掘り下げて聞くようにしています。
葛西:
長期にわたって受注した経験や、提案し続けてアップセルに繋がった経験なども、その時のシチュエーションを含めて聞くと、適性が見えてくると思います。
佐々木氏:
あと、パートナービジネスでは「ギブの精神」が非常に重要です。
面接では、言葉の節々からそのギブの精神があるかどうかを見るようにしていますね。
葛西:
ギブができない人は難しいと思います。
パートナーは多くの商材の中から選ぶので、最終的にはプロダクトだけでなく、「この担当者が好き」「この製品、会社が好き」で選ばれることが多い。
そうなると、やはりギブの精神がある人が優先されますね。
私自身も、昔、前職の代表に「ギブアンドテイクじゃなくて、ギブ・ギブ・ギブなんだよ」と言われたことが、今でもビジネスの指針になっています。
Q: パートナーセールスのKPI設定で困っています。一般的な指標以外で有効なKPIはありますか?
佐々木氏:
案件紹介数の間に、「一次商談数」と「提案数」もKPIとして加えるべきです。
どこで歩留まりが起きているかを可視化できます。
葛西:
このKPI設定の悩みは非常によく聞きます。
本来は、パートナーさん各社の進行度合いによって、定めるKPIを変えるのが理想です。
組織全体で見ると商談設定数などを追うしかないかもしれませんが、例えば、既に商談数が多いパートナーなら「有効商談数」を、まだ商談が生まれていないパートナーなら「商談設定数」をKGIに設定し、それに紐づくKPIを設定するべきです。
佐々木氏:
あとは、件数だけでなく、「商談化率」や「成約率」といったパーセンテージも追うべきです。
パートナーの進行度合いで分けるのはもちろんですが、数を追うだけでなく質をどう高めるかという視点で、パーセンテージを設定するのも有効だと思います。
最後に
当日ご参加いただいた皆様、そして本レポートを最後までお読みいただいた皆様、本当にありがとうございました。
「PSラジオ」は、ランチの時間にラジオ感覚でパートナーセールスの実践知を学べる場としてスタートしましたが、おかげさまで第2回も多くの方にご参加いただき、熱量の高い時間となりました。
今回のテーマである「ワークする人材」の見極め方や育成のヒントが、皆様の現場でも少しでも参考になれば幸いです。
今後も実践に役立つテーマとゲストをお招きしながら継続的に開催していきますので、次回のPSラジオもぜひご期待ください!