セミナーレポート

【セミナーレポート】急成長スタートアップを支えるパートナーセールスのリアル(2025/04/08開催)

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長いので、お時間ない方はまずはセミナーレポートの要約をご覧ください。

パートナーセールス立ち上げ時の課題と初期対応、および留意点:

  • 初期フェーズで途中から引き継ぐ形で携わるとよく起こるのが、契約・管理体制の未整備や属人化、案件ゼロからのスタートなどの課題に直面する。
  • その場合、現状整理と課題特定から着手し、勝ち筋を見出すことが重要。
  • 社内レギュレーションの急な変更への備え、バッティングチェックのルール化、社内調整(特に直販部門との連携)は、立ち上げ初期から継続的に不可欠な要素で、自社のビジネスの全体像を常に把握しておくことが重要。

パートナー獲得と活性化戦略:

  • インバウンドや紹介経由でパートナーを獲得。特に既存顧客にパートナー企業になっていただくパターンが効果的。リソースが少ない中で効果的に案件を推進すること考えた場合に、導入していただいている企業様であれば理解も早く、商談設定時の説得力もあると考えてSales Markerを導入いただいてる企業様に積極的にアプローチを行なっている(Sales Marker 山口氏)
  • 営業代理店系のパートナーにはフック商材からクロスセルを狙う戦略を取って行動指標(架電数、提案数、コンバージョン率など)を週次で管理・改善、外食支援企業のパートナーの場合はアタックリストを提出していただきアプローチしていただくといった具合に、パートナー属性に合わせたアプローチをとっている(ダイニー 大西氏)
  • 名寄せは、Salesforceのデータと連携してスプレッドシート上でバッティングチェックができる手製のツールで対応している(ダイニー 大西氏)
  • 法人番号をパートナーさんから必須でもらい、Sales Markerの企業データベースとCRMを連携させてレポートを組んで、バッティングチェックを行なっている(Sales Marker 山口氏)
  • 失敗談として、無料診断ツールを作成・展開したことがあるが、1件も商談に繋がらなかった(ダイニー 大西氏)

パートナーセールスに必要なスキル:

  • 社内外の巻き込み力、交渉力、推進力、ロジカルな説得力。
  • 理不尽な状況への耐性、利害調整のバランス感覚、精神的なタフさ。
  • エンタープライズセールス、事業開発、CS等の経験が活かせる。
  • フェーズに応じてマーケティング思考やマネジメント力(仕組み化含む)も求められる。

※本編はここからです。

パートナーセールス研究会 発起人の葛西(@kasai_201406)です。

今週は、先週4/8(火)に開催させていただいたパートナーセールスセミナー「急成長スタートアップを支えるパートナーセールスのリアル」のセミナーレポートを書かせていただきます。

※長文となるため、要点だけ知りたい方は上述の要約をご参照ください。

急成長スタートアップを支えるパートナーセールスのリアル

パネリスト・企業紹介

株式会社ダイニー パートナーセールスチーム マネージャー
大西 啓介 氏

セミナー資料より抜粋

サービス概要

https://dinii.jp

セミナー資料より抜粋

株式会社Sales Marker パートナーセールス
山口 大介 氏

セミナー資料より抜粋

サービス概要

https://sales-marker.jp/

セミナー資料より抜粋

2社のパートナー制度について

ダイニー様のパートナー制度

セミナー資料より抜粋

  • 紹介取次代理店モデルがメイン。
  • マーケットの特徴を捉え、それに合わせたパートナーとの契約を締結。
  • 50店舗以上を構えるEnterprise領域は、ABMによる開拓とビールメーカーの顧客に対しての共同提案がメイン。
  • 3〜49店舗を構えるSMB領域は、Enterprise領域同様のビールメーカーに加え、外食支援企業(外食や開業支援のコンサル等)とのパッケージ提案がメイン。加えて、CS連携による相互紹介のスキームも設けている。
  • 個店については、営業代理店(営業代行会社等)によるアウトバウンドでの新規開拓がメイン。
    キャッシュレスをドアノック商材に、クロスセルでPOSを提案。
  • 通常のホリゾンタルSaaSでよくパートナー連携している地方銀行やOA機器、ディストリビューターとのパートナー契約はしておらず、バーティカルSaaSだからこそのパートナー企業さんと連携をしている。

Sales Marker様のパートナー制度

  • 紹介取次代理店モデルがメイン。
  • パートナー企業様の契約状況により、ショット方式(継続課金なし) or ストック方式(継続課金あり)と成約手数料の料率が変わる体系。
  • Sales Markerの各プロダクトを自社導入しているパートナー企業については、通常の導入企業同様にCSが付く。
    →CSはKPIの1つに継続社数を持っているため、山口氏の代わりに自社導入のパートナー企業ををフォローし、パートナー自社での利用状況を確認しつつ、他社紹介なども働きかけてもらっている。
    →要は、既存ユーザー企業にパートナーになってもらう「リファラルパートナー制度」のような仕組みを作っている。
  • その一環として、自社導入のパートナー企業の新規リード獲得のために、共催セミナーを企画したりパートナー様からリードを提供いただいたり、活用事例を紹介したり、弊社主催セミナーでパートナー様にリードをお渡ししたりといった連携を取っている。

1. パートナービジネス立ち上げ当初の課題と成功談・失敗談

葛西:
ここからは、各社のパートナーセールス立ち上げについて、具体的なお話をお伺いします。当初の課題や成功・失敗談について、まずは山口さんからお願いします。

Sales Maker 山口氏:
私が入社した1年前は、パートナー制度設計自体がそもそもできておらず、シンプルな契約書だけが存在しており、契約書の内容が将来的にリスクになりそうな内容もありました。案件も売上もゼロ、紹介実績もない状況で、課題を認識する以前の段階、失敗すらできない状況でしたので、最初の1か月はひたすら現状把握に努めました。

パートナーセールスの業務範囲は広く、契約からCS(カスタマーサクセス)への引き継ぎ、手数料支払いなどの管理部門との連携も含め、全てのプロセスに関わる必要があります。当初の課題として、まず社内のステークホルダーが全く把握できませんでした。弊社は1年で正社員が200名増える急成長を遂げており、担当者が頻繁に変わるなどの状況が続いており、連携が非常に困難でした。

セミナー資料から抜粋

ようやく社内のステークホルダーが見えてくると次に起こったのが、事業部間の対立です。弊社はTHE MODEL型の組織であるため、事業部ごとにインサイドセールスの有無などの組織体制や顧客へのアプローチ方法が異なり、各事業部が自身のKPI達成を優先に動きます。

そのため、「とりあえず案件出してくれ」「これはSales MarkerじゃなくてRecruit Markerでのアプローチだからバッティングチェックは不要だろう」といった要望・問い合わせが頻発し、案件のバッティング調整に非常に苦労しました。パートナー様にとっては不利益になりかねず、手数料支払いの問題もあるため、まずそのルール整備が急務でした。

さらにはコンプライアンスやガバナンスが強化されたことにより、レギュレーションが一気に厳格化されました。スタートアップのパートナーセールスの方は特に注意が必要ですが、突然社内稟議が厳しくなったり、事前申請が必要になったりするケースがあり、私も先月に大量の社内申請、社内承認取得の対応を行いました。そのため、単に売るだけでなく、バックオフィスの対応や計上方法、PL(損益計算書)など、ビジネス全体を理解しておくことが非常に重要になります。

アライアンス領域では社内ルールの整備は非常に重要なので、私は特にバックオフィスとの関係性を重視しています。困った際には、バックオフィスの担当者に相談し、ルール変更を働きかける方が効果的だと考えています。もちろん売上も重要なので、その範囲内で最善策を探っています。足元の案件だけでなく、管理部門と良好な関係を築き、長期的な視点を持つことが重要です。

葛西:
まさに社内でのパートナーシップ構築ですね。

Sales Maker 山口
社内ネットワーキングは非常に重視しています。

葛西:
ありがとうございます。ちなみに、入社当初はパートナー企業数は何社くらいあったんですか?

Sales Maker 山口
おそらく20〜30社程度だったと思います。

葛西:
現在は何社くらいになってるんですか?

Sales Maker 山口
現在は200社を超え、管理フェーズへと移行しており、その工数が増大しています。

葛西:
パートナー開拓はどのように進められたのですか?

Sales Maker 山口
認知が一定取れていたためインバウンドでの問い合わせも多かったのですが、CS側に依頼して既存顧客からの紹介、つまり横展開を積極的にお願いしました。

CSはサービス継続をKPIとして持っているので、既存顧客に対してパートナーになっていただくことで、アライアンス文脈で新しい施策ができたり、新規リードの獲得ができるという側面があります。クライアントやパートナーだけでなく、社内にも利益を分配することで力学が発生するように気をつけています。

また、既存顧客が自然とパートナーになってくれるケースも多く、ホリゾンタルSaaSの特性と認知度を活かし、比較的少ない労力でパートナー網を拡大できました。

葛西:
なるほど。セールス領域のホリゾンタルSaaSという特性、認知度の高さが、既存ユーザーのパートナー化を後押ししているのですね。確かに既存ユーザーは使い方もわかっていて、さらには一定の認知まで取れている商材であれば紹介はしやすいですね。

Sales Maker 山口
その通りです。ただ、その反面、この仕組みが一巡して終わってしまうと、また1人で案件獲得に奔走しなくてはならないため、そこが1番怖いところですね。

葛西:
確かにそれはありますね。ありがとうございます。では続いて大西さん、お願いします。

ダイニー大西
弊社のパートナー制度は、元々パートナー制度自体は存在はしていたものの、非常に属人化した「1人セールス」状態でした。

セミナー資料から抜粋

パートナービジネスの重要性は社内でも認識されていましたが、具体的な戦略や仕組みがなく、活動内容も不透明でした。そのため、成功や失敗を語る以前に、まず現状を整理し、勝ち筋を見つけるところからスタートしました。それが昨年の夏頃で、私がパートナーセールスチームにジョインしたタイミングです。

現在は再構築期で、メンバーは6名、東京・大阪・名古屋に拠点があります。

まず成功事例ですが、当初は課題が山積みでした。「活動の見える化」「リソース最適化」「業務の仕組み化」といった一般的な課題に対し、具体的に何をすべきかを洗い出すことから始めました。

一般的にパートナーセールスは結果指標のみで評価されがちですが、私はそれが嫌だったので、KPIを細かく分解し、先行・中間指標を設定して活動を管理するアプローチを取りました。先ほどLiveQでの質問に「どの企業のパートナービジネスを参考にしたか?」という質問も入ってましたが、パートナーセールスの進め方を学ぶため、「パートナーセールス」と検索したら葛西さんが出てきてお話をさせていただき、その後、総勢約30名のパートナーセールスの方々に集中的にヒアリングを行い、自社の飲食業界に合った戦略を模索しました。

セミナー資料から抜粋

具体的なアプローチとして、例えば営業代理店系のパートナー様には、フック商材からクロスセルを狙う戦略を取り、行動指標(架電数、提案数、コンバージョン率など)を週次で管理・改善しています。このKPI管理は契約条件にも盛り込み、実施を前提としています。

一方、外食支援企業系のパートナー様には、既存クライアントの紹介を依頼しています。まずアタックリスト(顧客リスト)の提供を依頼し、それに基づいて共同でアプローチするターゲットを選定、連携して商談化を目指します。

このアタックリスト提供は、バーティカルSaaSならではの協力関係もあり、約8割という高い協力率を得られています。

葛西:
アタックリスト提供の協力率8割は非常に高いですね。

地方銀行やOA機器など顧客情報の管理規定上、難しいパートナー企業も中にはありますが、バーティカルSaaSならではのパートナー企業さんであれば試す価値はありそうですね。

アタックリスト提供のお願いは、やはり初回ミーティングで行うのが効果的でしょうか?

ダイニー大西
初回が良いと思います。

葛西:
私も必ず初回に依頼してました。それが難しい場合は、こちらからターゲットを提案する形ですね。

セミナー資料から抜粋

葛西:
営業代理店パートナー様へのKPI管理についてですが、これは手数料は固定報酬なのでしょうか?

ダイニー大西
固定報酬のもありますが、最も活発なパートナー様は成果報酬型です。

例えば、導入しやすいキャッシュレス決済端末の紹介件数に応じたショット報酬と、他のサービスのストック報酬を組み合わせています。

経営層へのアプローチを通じて弊社の商材を注力商材として認定してもらうことで、「これを達成すれば評価に繋がる」「ついでに提案すればダブルでポイントが稼げる」といったインセンティブが働き、推進力が生まれています。

葛西:
なるほど、分かりやすいインセンティブ設計ですね。逆に失敗談についてはいかがですか?

ダイニー大西
以前、営業担当者が案内しやすいだろうと考え、無料診断ツールを作成・展開したことがありますが、1件も商談に繋がりませんでした。

セミナー資料から抜粋

パートナー側の営業担当者にとって、そのツールを案内するインセンティブがなかったのです。彼らは自社商材のKPI達成を優先するため、他社ツールをわざわざ案内する理由がありませんでした。

様々な試行錯誤をしましたが、小手先の施策では効果がないことを痛感しましたね。

質疑応答

葛西:
途中ではありますが、LiveQに質問を多数いただいてますので、一旦ここで質問に対して回答ができればと思ってます。

Q1: (ダイニー様への質問)パートナー様からの案件紹介の質はどのように担保されていますか?紹介基準は?

A1: ダイニー大西氏:
紹介基準は「興味を持っていただけたら繋いでいただく」程度とし、基準を厳しくするよりも、受け入れ後の社内連携を重視しています。

パートナー様からの情報は様々なので、特に弊社でいうEnterpriseやSMBのパートナーさん経由の大型案件などでは初回商談前に直販の担当セールスとパートナー様の間で必ずすり合わせミーティングを行い、課題や関係性などの情報を徹底的にヒアリングし、質を担保しています。

社内での期待値調整と協力体制の構築が何より重要です。

葛西:
社内調整は本当に重要です。特に直販文化の強い企業では、質の粗い案件に対してフィールドセールスから厳しい意見が出ることも多分にありますからね。

Q2: (Sales Marker様への質問)参考にした会社はありますか?

A2: Sales Maker 山口
パートナービジネスが上手だなと感じているのはSalesforce社ですね。

システム連携によるレベニューシェアモデル、AE(アカウントエグゼクティブ)へのインセンティブ設計、豊富な顧客データを活用したエコシステム構築など、非常に巧みで参考になります。

Salesforceをやめると業務が止まる、というレベルまで顧客の業務に深く入り込んでいる点も素晴らしいと思います。

あとはディストリビューターの顧客網の広さ、情報量の豊富さ、営業の仕組みも上手だなと思ってます。

SalesforceさんやディストリビューターさんのKGI・KPIをいろんな部署に紐づけている仕組みはすごいなと感じています。

Q3: (ダイニー様への質問)アタックリストの選定基準、名寄せ方法、KPI未計測パートナーへの指定KPIの計測依頼方法は?

A3: ダイニー大西
アタックリストの基準は、エリアやSNS活用状況などの一定の条件を商材に合わせて設定し、その条件に合致した企業リストを出していただきたいですと依頼しています。

名寄せは、当社のパートナーOpsのメンバーが作った、Salesforceのデータと連携してスプレッドシート上でバッティングチェックができる手製のツールがあるので、それにリストを当てこんでバッティングチェック、名寄せを行っています。

KPI計測については、営業代理店パートナー様は契約段階でそのKPI計測の実施を前提として盛り込んだ上で動いてもらっています。

外食支援企業パートナー様へは、パートナーサクセス担当が定例ミーティングなどを組みながら、カウンターパートの方だけではなく個別で各営業担当者とも連携し、「●●社って今どういう状況ですか?」というようなお話はもちろん、「次、●●社はいつ接触します?定例はいつあります?」というようなネクストアクションの把握に努めたり、把握したネクストアクション日の後に「実際にお話していただけました?話してみて反応どうでした?」というような追いかけをこまめにやっています。

各営業担当に対して泥臭く個別にマイクロマネジメントに近い形で進捗確認やアクション依頼をこまめに行い、KPI指標となる情報を取りに行っています。

Q4: バッティングチェックの方法は?

A4: Sales Maker 山口氏:
弊社では法人番号での紐付けを基本としています。パートナーさん側に少し負担をかけてしまいますが、パートナー様にも協力をお願いしています。

法人番号を必須としている理由としては、カタカナの会社などで同名企業があったり、社内カンパニーの名前でパートナーさん側が申請してきたりして実は他のパートナーさんとバッティングしてたってケースもあったりするため、そのような問題を避けるためです。

法人番号のデータはSales Markerの企業データベースの中に入っているので、それをCRMと連携させてレポートを組んで、それでバッティングチェックを行なっております。パートナー様が先にアプローチしている案件に直販が後から入ることは絶対にありませんし、パートナー様が先にアプローチしているものは直販から接点取ることは絶対にNGにしてます。

直販側で進めている案件についても、その提案中顧客の予算や決裁ルート、決裁時期など受注確度を高める情報をパートナー様からいただけている場合などについては、私が直販セールス側と交渉し、パートナー案件に切り替えるということもあります。

葛西:
スプレッドシートとSalesforceを連携させる「G-Connector for Salesforce」を活用すると、パートナー様自身がバッティング状況を確認できるシートも作成でき、効率的です。

また、注力パートナーさんについては、パートナー側とスプレッドシートを共有できる環境を整えれば、アクティビティダッシュボードでパートナー側のどの営業マンが直近そのスプレッドシートを閲覧したのかというアクティビティが追えるので、非常に便利です。

直近そのスプレッドシートを閲覧している=何か提案したい先がある、何か調べたいことがあるというサインであるため、そのアクティビティ情報をもとにそのパートナー側の営業担当にアプローチしてみると、新しい案件候補が拾えたりします。

2. パートナーセールスに向いている人材

葛西:
皆様、多くのご質問ありがとうございます。事前に「パートナーセールスに必要なスキル・人材像」というテーマを用意しておりましたが、まさに今、会場にいらっしゃる方からも同様の質問をいただいており、関心の高さがうかがえますね。では、このテーマについて大西さん、お願いします。

ダイニー大西氏:
パートナーセールスは、エンタープライズセールス、事業開発、カスタマーサクセス(CS)など、他の職種で培った経験やスキルを応用できる領域だと感じています。

セミナー資料から抜粋

例えば、エンタープライズセールスにおけるステークホルダーマネジメントやアカウントプランニング、事業開発における協業戦略の立案や経営層との交渉、CSにおける伴走支援といった経験は、ターゲットがパートナー企業に変わるだけで、本質的には同じアプローチが求められます。

これらに共通して求められるのは、社内外の多くの関係者を能動的に巻き込み、成果を出せる力です。

受け身ではなく、自ら推進していく力、目標達成に向けた強い意志(胆力)、そしてロジカルに相手を説得できるコミュニケーション能力が不可欠だと考えています。

葛西:
まさに大西さんのご経歴そのものですね。続いて山口さん、お願いします。

Sales Maker 山口氏:
大西さんとほぼ同意見ですが、パートナーセールスは基本的には理不尽な状況に置かれることが多い、という点を強調したいです。

パートナー様、社内の他部署、経営層など、あらゆる方面から様々な要求や疑問が投げかけられます。それをうまく受け流せる耐性が必要ですが、同時に、相手に対して必ず何らかの利益を提供しなければならない。これをシンプルに実行できる、このバランス感覚が非常に重要です。

社内ステークホルダーとの関係構築も極めて重要です。
私は人間関係構築があまり得意ではないので、各部署のKPI達成にどう貢献できるかという実利的な観点からアプローチします。特に監査部門など、要求が厳しい部署とは、彼らの懸念を理解し、協力してルールを整備していく姿勢が求められます。

セミナー資料から抜粋

求められるスキルについてはフェーズによっても変化すると考えています。

立ち上げ期には、社内外との交渉力、影響力、行動力、そして嫌われないような人間的な魅力が特に重要になります。一方、拡大期に入ると、リード獲得から商談化までのファネル管理といったマーケティング思考、論理思考、企画力、そして組織をスケールさせるためのマネジメント能力や仕組み化(システム導入など)の視点が不可欠になってきます。

初期から仕組み化を意識することが、将来的なスケールに大きく影響します。マネジメント、特にシステムの構築や運用については、早期に経営層や管理部門と連携することをお勧めします。

様々なスキルが必要ですが、やはり根底には、理不尽な状況を笑って受け流せるような強さが求められるかもしれません。

葛西:
ありがとうございます。非常に難易度が高く、タフさが求められる仕事ですが、その分やりがいや自身のキャリア価値は上がりそうですね。

最後に

当日の集合写真(写真はSales Markerポーズ)

今回は当日キャンセルの連絡が事前にあった人を除くと、なんと参加申し込みされた全員にご参加いただけた会となり、当日は登壇者ら運営側も含めて約50名もの方にご参加いただけました!

セミナー後の交流会では、今回初めて参加される方も多い中で、皆様最後の最後まで積極的に情報交換をされており、今回も非常に熱量の高い会となりました!

そして毎度このような交流会を開催して思うことが、パートナービジネスにおける課題が非常に根深く、本当に皆さん困ってらっしゃる、模索しながらやってらっしゃる方が非常に多いんだなーと痛感します。

このコミュニティ活動を通じて、参加されている皆さんで

  • パートナービジネスのノウハウを共有し合い、学べる場とすること
  • 日本のパートナービジネスの正攻法を創り上げていくこと
  • パートナーセールスの魅力を発信していくこと

という3つを実現していきたいなと本気で考えています!

また次回以降のセミナーやさまざまな分科会活動なども企画中ですので、皆様楽しみにしていてください!

パートナーセールスの伴走支援します!

大手SaaSでパートナーセールスに従事し、パートナーセールスをハンズオンでゼロから立ち上げました。

その過程で、300社以上が参加するパートナーセールス研究会を立ち上げ、多くの企業と成功事例を共有してきました。

パートナーセールスの課題や疑問を共有し、一緒に解決策を見つけましょう。お気軽にご相談ください!

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