
パートナーセールス研究会の葛西です。
2026年5月21日、「パートナーセールス研究会 2周年記念イベント」にて、2つのサービスを同時にリリースしました。
- パートナーセールス顧問ドットコム — 業界第一線の顧問が、戦略設計から実行支援まで伴走する「人」のサービス(https://ps-komon.com)
- synergeee — パートナーセールスに特化したAIエージェント、「プロダクト」のサービス(https://synergeee.com)
この記事では、2サービスの詳細というよりも、リリースの背景にある「私たちが本当に創りたい未来」──日本のパートナーセールス・エコシステムという構想についてお話させてください。
長くなりますが、最後までお付き合いいただけたら嬉しいです…!
パートナーセールス研究会 ─ 2年強の歩みと、感謝
すべての出発点は、2024年に立ち上げたパートナーセールス研究会でした。
「日本にはパートナーセールスのノウハウをシェアする場がない」「パートナーセールスの横の繋がりがない」── そんな課題感から、私が発起人となって、ひっそりとスタートしたパートナーセールスに特化したコミュニティです。
そこから2年強。
| 設立 | 開催実績 | 議論した企業 |
|---|---|---|
| 2024年〜 | 30+ イベント・セミナー | 250+ 社 |
| 「日本のパートナーセールスの解像度を上げる」を旗印に | 月1回ペースのオフライン+オンライン | パートナービジネスのリアルな課題を蓄積 |
ここまで来ることができたのは、間違いなくコミュニティに参加してくださっている皆さまのおかげです。本当にありがとうございます。
オフラインの場で交わされる「うちもそれで困ってる」「あの会社はこう乗り越えた」という生々しい会話。オンラインで共有されるさまざまな成功事例や失敗談。それらすべてが、日本のパートナーセールスの解像度を、確かに一段ずつ押し上げてきました。
そして、パートナーセールス研究会を介して、私自身も250社を超える企業さまとの議論をさせていただくことができました。さまざまな議論を進めていくなかで、業種・規模を問わず、ほぼ全社が口を揃える「共通の課題」が浮き彫りになってきたのです。
共通の「詰まり」── パートナーが、アクティブにならない
その課題を一言で表すと、こうです。
「パートナーが、アクティブにならない」
パートナーセールスをやっている多くの企業で、こんな現象が起きています。
- パートナー契約をしてもパートナーさんになかなか動いていただけない、または動くのはごく一部だけ。残りのパートナーはブラックボックスのまま放置
- パートナー企業の営業担当が多いため、各営業担当が今どのフェーズ(どれほどのインストール度合い)にいるのかが把握しきれない
- 自社のパートナーセールス担当がどのパートナーのどの営業担当と何をしているか、細部までモニタリングしきれない
- PRMを入れたが、パートナーにログインしてもらえずデータが溜まらない
- パートナーセールス担当(特にベテラン担当)が抜けたら、パートナーとの関係性ごと消えた
提携は増えても、案件は増えない。これがパートナービジネス最大の「詰まり」です。
そしてこの「詰まり」の背景には、4つの構造的な課題があるとわかってきました。
1. ノウハウを持つ人材が、圧倒的に少ない
業界全体でパートナーセールス経験者が希少。社内には経験者ゼロが普通、という会社が多数派です。加えて、経営陣の中でもパートナーセールス経験者は非常に少ない。そのため、「うちもパートナービジネスを立ち上げたい」と考えても、立ち上げから走らせられる人がいない。また、外部から採用しようにも、経験者の母数が少ないことから、採用難易度が非常に高い。
2. メーカー<パートナー の非対称な力関係
メーカー側は「売って欲しい」側。パートナー側は「数百〜数千の商材から、何を選んで売るか」を決める側。メーカー側の商材は、パートナーにとっては数百分の1・数千分の1にすぎず、パートナー側の方が圧倒的にパワーバランスが強い構造。
3. 担当者が多すぎて、全員を見きれない
1社あたり数十〜数百名、合計で数千〜数万名の関係者。パートナーの担当者ごととのコミュニケーションやさまざまな活動の履歴を踏まえた上での最適な提案は、人力では限界がある。
4. 担当が辞めたら、関係性ごとリセット
引き継ぎ資料に書けるのはほんの一部、全てを伝え切るのは難しい。「部長のAさんは月末は多忙でピリつくから連絡控えたほうがいい」「▲▲さんはチャットより電話のが話がスムーズ」「Z支店のB支店長は、Y支店のC支店長と同期で飲み仲間」── そんな細かな情報・知識は、人の退職とともに一緒に消えていく。
これら4つの構造的課題は、すべて「アクティブにならない」という一点に集約されていく。だからこそ、ここに本気で手を打たない限り、日本でのパートナービジネスという戦略は「伸びない戦略」というレッテルを貼られてしまう・・・。
私はこの現状に、強い危機感を感じました。
我々の答えは、「人」と「プロダクト」の両輪
日本のパートナービジネスにおける構造的課題を解決する上で重要なのは、片輪では解けないということです。
「ノウハウ不足」と「人材不足」を埋めるのは、人にしかできません。一方で「担当者が多すぎて全員を見切れない」「さまざまな活動のデータの蓄積ができない」「関係性が属人化する」という規模の問題を解くには、プロダクトの力が必須です。
だからこそ私たちは、今回、2つのサービスを同時にリリースすることにしました。
①「人」のサービス ─ パートナーセールス顧問ドットコム
GMOグローバルサイン、SmartHR、マネーフォワード…── 業界第一線で実務を重ねてきた専門家が、シニア顧問として在籍。フェーズ・規模・領域に合わせて、最適な顧問を紹介します。
- 3フェーズ:0→1立ち上げ/1→10拡大/10→100仕組み化
- 3規模:エンタープライズ/ミドルマーケット/スタートアップ
- 支援領域:戦略設計/パートナー開拓/PRM運用/教育・組織/アライアンス設計/代理店マネジメント
リリースキャンペーンとして、半年間 仲介手数料0円でご提供します。
※企業・顧問の双方とも、キャンペーン期間中は一切いただきません。
※顧問との業務委託契約の費用(実費)は、利用いただく企業様側のご負担となります。
②「プロダクト」のサービス ─ synergeee(PRI)
synergeeeは、パートナーセールスに特化したAIエージェントです。
これまでのPRM(Partner Relationship Management)は、「パートナーにログインして入力してもらう」という前提に立っていました。でも現実には、約8割の企業で、データが溜まらず活用できていない。「大手OA機器や地銀の営業担当がわざわざ他社のシステムに入る?」と問えば、答えは明らかです。
synergeeeはここに新しいカテゴリを提唱します ── PRI(Partner Relationship Intelligence)。
| PRI (synergeee) | 従来のPRM | |
|---|---|---|
| アプローチ | パートナーのログイン=ゼロ | パートナーにログインを強制 |
| データ入力 | Slack・Email・Chatworkから自動収集 | 手動入力が前提 |
| 可視化 | 関係性をスコア化、AIエージェントが分析・提案 | 入力されたデータの集計 |
| 結果 | 勝手にデータが溜まり、見える化される | 結局、誰も使わない |
「管理」から「インテリジェンス」へ。パートナー側に負荷をかけさせずに、メーカー側のインテリジェンスを最大化する新カテゴリです。
※前提、PRMを全否定するわけではなく、PRMがうまくハマる企業もあると思ってます(例:メーカー>パートナーのパワーバランスになっているケース等)

AI時代のパートナーセールスは、こう変わる
ここで一歩引いて、もう少し大きな話をさせてください。
synergeeeをつくりながら、私はずっと「AI時代のパートナーセールスは、どうあるべきか」を考えてきました。今の時点での仮説は、こうです。
人とAIの「役割分担」が、根本から変わる
これまで人が担っていた多くの作業 ──「誰に・いつ・何を伝えるか」を判断する、関係性データを記録する、フォロー漏れに気づく、休眠先を発掘する── これらは、関係性データさえ揃えば、AIエージェントの方が圧倒的に得意な領域です。
私たちが描く未来は、こうです。
- AIエージェントが、関係性データをもとに施策を立案する
- その施策を実行するかどうかの判断は、パートナーセールスが担う
- 最終的に、人は「戦略判断」と「パートナーの現場に訪問して一次情報を吸い上げること」に集中する
synergeeeのロードマップで言えば、こんな進化です。
| 2026 (Phase 1) | 2027 (Phase 2) | 2028+ (Phase 3) |
|---|---|---|
| SoR の構築 | SoA への進化 | Autonomous |
| 関係性データを収集・承認・蓄積 | AIの「判断と行動」をつくる | 人は「戦略判断」と「一次情報獲得」のみに集中 |
| 人80 / AI20 | 人50 / AI50 | 人10 / AI90 |
階段を1段ずつ昇るように、人がやっていることを順にAIへ手放していく。
「誰でもパートナーセールスができる」状態をつくる
この役割分担が実現すると、何が変わるか。
私が一番ワクワクしているのは、「再現性のあるパートナーセールス」が実現することです。
これまでのパートナーセールスは、属人化の塊でした。優秀なベテランがいる会社は伸び、いない会社は伸びない。担当が辞めれば関係性ごと消える。だから「うちではパートナービジネスをやれない」「パートナービジネスを立ち上げたものの、全然伸びないので撤退する」と諦める会社も多かった。
しかし、関係性データが自動で溜まり、AIが次の一手を提案してくれるなら、話は変わります。
- 未経験のメンバーでも、AIの示唆に従えば一定水準のアウトプットが出せる
- 育成にかかるコストと時間が、劇的に短縮される
- パートナーセールスは、より戦略的・創造的な仕事やパートナーと向き合う時間に投下できる
「パートナーセールスは特別な才能やノウハウを持った人にしかできない」、そんな時代を終わらせたい。誰もが、自社のパートナービジネスを伸ばせる状態を、AIとプロダクトの力でつくりたい。これが私たちの本気の願いです。

構想:日本のパートナーセールス・エコシステムを創る
ここまで読んでくださった方には、もう伝わっているかもしれません。
私たちがやりたいのは、単にこの2つのサービスをリリースして売ることではありません。
パートナーセールス研究会をハブにして、日本のパートナーセールスを創る「エコシステム」を構築すること。これこそが私たちが創りあげていきたい、本当の構想です。
エコシステムは、6つのレイヤーで構成されます。
| レイヤー | 役割 |
|---|---|
| 01 コミュニティ | 横のつながり構築・パートナー候補とのマッチング機会の創出(パートナーセールス研究会) |
| 02 学習の場 | セミナー開催・PS顧問人材による会員限定クローズド勉強会 |
| 03 メディア | PS研究会メディアによるナレッジ展開(セミナーレポート・アドベントカレンダー等) |
| 04 顧問紹介 | PS顧問紹介による立ち上げ・スケール支援(パートナーセールス顧問ドットコム) |
| 05 プロダクト | パートナーのアクティブ化、パートナービジネスの仕組み構築(synergeee) |
| 06 ブランディング | パートナービジネスという戦略・パートナーセールスという職種の価値向上(パートナーサミット等) |
「人 × プロダクト × コミュニティ」の3つを、独立した点としてではなく、互いに循環し合う一つの生態系として育てていく。
- コミュニティで生まれた課題感が、プロダクト開発に活きる
- 顧問が現場で得た知見が、メディアで言語化される
- メディアで蓄積されたナレッジが、新しい参加者を呼ぶ
- そして、ブランディングを通じて「パートナービジネス」という戦略と「パートナーセールス」という職種そのものの価値を上げていく
このサイクルが回り始めたとき、日本のパートナービジネスは、必ず新しいフェーズに入ると信じています…!
一緒に、まだ誰も見たことのない景色を
最後に、お願いがあります。
パートナーセールス研究会に参加してくださっている皆さま。 顧問として参画していただけている皆さま。私たちのプロダクトに興味を持ってくださっている皆さま。 これからパートナービジネスを始めようとされている皆さま。
「パートナービジネスの可能性を信じる皆さま」と、まだ誰も見たことのないパートナービジネスの未来を、一緒に創っていきたい──本気でそう思っています!
私たちだけで創れる景色には限界があります。でも、皆さまと一緒なら、日本のパートナービジネスを、世界に誇れる産業に育てていけるはずです。
以下のような形で、ぜひ一緒に走っていただきたいと考えております…!
- PS顧問を紹介してほしい企業さま → https://ps-komon.com
- 顧問として参画したい実務家の皆さま → https://ps-komon.com/join
- synergeeeに興味がある/利用検討したい企業さま → info@synergeee.com
- パートナーセールス研究会へ参加いただける皆さま→https://partnersales.biz/contacts/
- パートナーセールス・エコシステムの構築に協力いただける企業さま→ info@synergeee.com
- このパートナーセールス・エコシステムの構想に共感し、発信いただけるメディアの皆さま→ info@synergeee.com
まだパートナーセールス研究会に参加されていない方は、ぜひまずはコミュニティの扉を叩いてみてください。次のオフラインイベントでお会いできるのを、楽しみにしています。
ここから先の景色は、私たちだけでは絶対に創れません。
共に、日本のパートナービジネスの未来を創っていきましょう!皆さまからのたくさんのお声をお待ちしております!!!
