パートナーセールス研究会 発起人の葛西(@kasai_201406)です。
ここ数年、MBTIをはじめとした「タイプ診断」がすっかり定着しました。営業職向けにも「あなたはどの営業タイプか」を判定するコンテンツはいくつか見かけますが、探してみるとパートナーセールスに特化した診断は存在しませんでした。
それなら自分たちで作ってみよう、ということで、synergeeeのサイト上に「パートナーセールス診断」を公開しました。30問・約3分、登録不要で、「タイプ(16タイプ)」と「レベル(Lv.1〜5)」を判定します。
今回はこの診断を作った背景と、結果をどう読んで、どう活かすかについて書いてみようと思います。
なぜパートナーセールスにも「タイプ」が必要か
パートナーセールスという仕事は、直販の営業とは評価軸がはっきりしません。「紹介件数が多い人が優秀」と単純に言えない難しさがあります。関係づくりが得意な人、仕組み化が得意な人、新規開拓が得意な人、既存パートナーを深耕するのが得意な人——やり方はいくつも正解があり、どれも成果につながります。
一方で、この「やり方の違い」は普段あまり言語化されません。本人も「なんとなく自分はこういうスタイルだ」と思っているだけで、強みも弱みも自己認識のまま終わっているケースが多いように感じます。
診断の結果を「個性の確認」で終わらせず、自分の伸ばすべき力と、見落としがちな弱点を具体的に知るところまで踏み込めるように設計しました。
診断の仕組み:4つの軸と16タイプ

診断は、パートナーセールスの動き方を4つの軸で分解しています。
| 軸 | 内容 | A | B |
|---|---|---|---|
| 攻め方 | 新規開拓か、既存深耕か | 開拓(Pioneer) | 育成(Nurture) |
| 拠り所 | 関係性で動かすか、仕組みで動かすか | 関係(Bond) | 仕組み(System) |
| 判断 | 勘で読むか、記録で読むか | 勘(Instinct) | 記録(Data) |
| 売り方 | 自社が牽引するか、パートナーと共創するか | 牽引(Lead) | 共創(Co-create) |
この4軸の組み合わせで、16タイプに分かれます。さらに「関係×仕組み」「勘×記録」の2軸だけで見ると、4つのグループに大別できます。
- 人情派(関係で動かし、勘で読む):侍/吟遊詩人/親分/世話人
- 知略派(関係で動かし、記録で読む):軍師/外交官/師範/賢者
- 建国派(仕組みで動かし、勘で読む):開拓者/商人/将軍/庭師
- 統治派(仕組みで動かし、記録で読む):設計士/錬金術師/守護者/宰相
それぞれのタイプには、一言での特徴(キャッチ)と、強み・弱み(ピットフォール)が紐づいています。たとえば「軍師」は「狙いを定めて口説く策士」で、強みは「攻めるべき相手を見極める目」、弱みは「計画が頭の中にあり、チームに共有されない」としています。「庭師」は「育つ環境を整える者」で、強みは「自走するパートナーを育てる土壌づくり」、弱みは「枯れかけの株に気づくのが遅れる」といった具合です。
強みだけでなく、タイプごとに陥りやすい弱点まで言語化しているのが、この診断の特徴です。
レベルの考え方:Lv.1「種まき」〜Lv.5「森」

タイプに加えて判定しているのが「レベル」です。これは得意不得意の個性とは別に、パートナー管理がどこまで仕組み化できているかを5段階で示したものです。
| Lv | 名称 | 状態 |
|---|---|---|
| 1 | 種まき | 関係が個人の記憶の中にしかない |
| 2 | 芽吹き | 一部は見えているが、属人的 |
| 3 | 若木 | 主要パートナーは管理できている |
| 4 | 大樹 | 仕組みで回り、打ち手を選べる |
| 5 | 森 | エコシステムとして自走している |
「主要パートナーの今期の紹介件数をいますぐ答えられるか」「自分が退職してもパートナーとのやり取りの履歴が残るか」といった10の設問で判定します。タイプ診断が「個性」、レベル判定が「属人化からどれだけ脱しているか」を映す構造です。
診断結果は「Lv.3 若木 の 賢者」のように、タイプとレベルを組み合わせて表示されます。
パートナーセールスメンバー目線:自分の能力値と、伸ばすべき力を知る

まず一人ひとりの使い方です。診断結果を見ると、自分がどの軸に強く、どの軸が弱いかがはっきりします。
- 「開拓は得意だが、既存パートナーの深耕が手薄」
- 「関係づくりは強いが、記録が残っていないので引き継ぎに弱い」
- 「仕組み化はできているが、パートナーとの共創より自社主導になりがち」
こうした傾向は、本人にとっては「言われてみれば、たしかに」というものが多いはずです。弱みが明確になれば、次にやることも決まります。たとえば「記録力」が弱いタイプなら、まず商談後の記録を習慣化するところから始める、といった具体的な一歩に落とし込めます。
レベル診断も合わせて使うと、「個性は活かしつつ、属人化はどこまで解消すべきか」を自分の現在地として把握できます。
部長・マネージャー等の管理者目線:メンバーの特徴を把握し、マネジメントに活かす

チームを持つ立場では、使い方がもう一段変わります。メンバー一人ひとりのタイプがわかると、次のようなマネジメントの精度が上がります。
- 案件の割り振り:新規開拓が得意な「開拓者」タイプには新規チャネルの立ち上げを、既存深耕が得意な「庭師」タイプには育成中のパートナーのフォローを任せる、といった適材適所の判断ができる
- 育成の着眼点:弱点が「記録」なのか「共有」なのか「共創」なのかが明確なので、指導の的を絞れる。全員に同じ研修をするより、タイプ別に伝え方を変えたほうが刺さりやすい
- チーム全体のバランス確認:メンバーのタイプを並べてみると、チームが「人情派」に偏っていて記録や仕組みが弱い、あるいは「統治派」ばかりで現場の関係構築が手薄、といったチーム単位の偏りも見えてきます
個人の評価に使うものではなく、「この人はこういうやり方で成果を出す人だ」という前提を持ってマネジメントするための材料として使うのがおすすめです。
まとめ
パートナーセールスという仕事には、まだ「型」の言語化があまり進んでいません。今回作った診断は、その型を軽い気持ちで知ってもらうための、ひとつのきっかけに過ぎません。
- メンバーは、自分の強み・弱みを具体的に知り、次の一歩を決める材料に
- マネージャーは、メンバーの特性を把握し、割り振りや育成、チーム編成の判断材料に
ちなみに、私は「Lv.5 森の賢者」でした!

ぜひ皆さんも一度、診断を試してみてください。登録不要・約3分です。